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  4. 学長対談:児童生徒の保護者の立場から兵庫教育大学に期待すること
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  ○現職教員の学び直しについて

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    加治佐|   尾上さんは、日本PTA全国協議会会長や中央教育審議会(以下、中教審)の委員をされており、様々な形で教育に関わってこられましたね。

       
    尾上|   実は私は、元々、教員を志望していたのですが、父の事務所を継ぐ形で経営コンサルタントとなったという経緯があります。その後、PTAや中教審の委員として、教育の中枢へ関わるようになったのは、教員という職業を常に意識してきた事が関係しているのだと思います。

    加治佐|   そうでしたか。尾上さんの立場から、教員養成系の大学、とりわけ兵庫教育大学に対する期待や希望、あるいは課題をお話し頂けますか。

    尾上|   私は、兵庫県教育委員会で教員判定委員会の委員として教員の指導力向上にも携っているのですが、やはり、短期の研修などではなく、しっかりとしたカリキュラムに基づいた学び直しの場が教員には必要だと感じています。そういった意味で教員養成系大学、とりわけ兵庫教育大学が果たす役割は大きいと感じています。

    加治佐|   なるほど。本学は、「現職教員の学び直し」が一番のミッションです。その目的で、国が今から37年前に、この兵庫の地に全力投球してつくった大学で、これまでに修了生を約9,000人輩出し、そのうち約6,000人は現職の教員です。修了した方は、各地の教育委員会等で指導的な地位について活躍しています。ですから、そのような学び直しの役割というのは十分果たしてきたと考えています。

 ○コミュニケーション力の必要性について 

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  加治佐|
  保護者の立場、PTAの立場から現在の教員をどのようにとらえられていますか。

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  尾上|   教員に社会経験が少ないと感じることが多いですね。今の教員は、多忙であることも関係すると思いますが、教えることに専念しすぎて、人間の広さが、昔に比べると狭くなってきていると感じます。そういう面で、私のような経済の世界や地域社会を構成している大人がしっかりと関わりを持たなければならないと思った結果、一番良い形が「PTA」でした。
初任の先生方が、対子どもを始めとして、保護者などの大人や地域社会と関わっていくためには、先生同士の横のつながりだけでは弱いと感じたため、我々PTAの方から積極的に話す機会を設け、様々な関わりをもつ努力をしてきました。

 
  加治佐|   それは素晴らしいですね。

 
  尾上|
現在の教員は、体験教育やアクティブ・ラーニングなどの新しい取組や、いじめ対応、貧困の問題、心の問題、保護者対応や特別な支援を要する子どもたちへの対応など、新たな課題も次々出てきますので、地域を含めた社会的な関係はとても重要だと思います。

 
  加治佐|   確かに、今、地域とともにある学校ということが言われていますね。学校と地域が一体となって、子どもを育てるということです。そこを意識されて、特に新任教員に対していろいろ働きかけをされているというのは非常に良いことだと思います。本学も新人教員を送り出しているわけですが、そのような社会性やコミュニケーション力を養成するためには、どういう取組が必要だと考えられますか。

 
  尾上|
  教育実習だけでなく、企業での実習など社会と関わるプログラムが必要ではないでしょうか。教育課程内か課外か、いずれに位置付けるのが良いかは分かりませんが、社会経験を積む機会が必要だと思います。

 
  加治佐|   最近は教員採用試験も変わってきており、「コミュニケーション力」が非常に重視されています。そのため、本学においてもボランティア等を活用したキャリア教育に力を入れています。教育課程が過密なので、企業研修までは難しいかもしれませんが、社会経験を積む機会を何とか工夫していきたいですね。

 
   

  ○トップリーダーの養成

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    加治佐|      
  本学は現職教員の学び直しに関して、全国の中心的な役割を担っています。全国の教育委員会から現職教員を受け入れて、校長や教頭、ミドルリーダーを大学院で育成しようとしているわけですが、リーダーを養成する上で重要だとお考えになるのはどのようなことですか。

    尾上|
  リーダーの資質としてすぐに思いつくのは決断力や判断力ですが、加えて「組織をつくる力」が非常に重要だと考えています。全国組織のPTAで会長を務めさせて頂いた間、文部科学省などの行政組織にも積極的に足を運んで、情報収集をするとともに人脈と言いますか、横のつながりを作れたことによって、組織に厚みが出てきたと思います。また、様々な人の話を聞きながら、組織の中で決断力や判断力を発揮する力が、リーダーに必要な部分ではないかと思います。

    加治佐|   なるほど。本学もそういうニーズに応えるために以前から「教育行政トップリーダーセミナー」を全国で開催し、各地の教育委員会等で重要な役割を担うトップリーダーを支援してきていますが、この度、新たに「教育政策リーダーコース」(平成28年度開設)を教職大学院に設けて、全国の市区町村の教育長や教育委員会の幹部職員等が、現任地で働きながら学び、地方の教育を変革する実践的応用力を身につけたリーダーを養成する体制を整えました。

      尾上|   現任地で働きながらですか。

      加治佐|   はい、勤務に支障のない時間に出前授業やワークショップを実施することや、ビデオ・オン・デマンドを活用することなどを予定しています。

      尾上|   とても良いですね。

      加治佐|   その他にも、学校現場のグローバル化を推進するスクールリーダーを養成するために小学校や中学校、高等学校の現職教員が働きながら学べる「グローバル化推進教育リーダーコース」を平成28年度に開設するため準備を進めています。

 ○国立大学で教員養成を行う意義

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  加治佐|
  6月に文部科学省から通知のあった「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」において、教員養成系及び人文社会科学系の学部・大学院については組織の見直しや社会的要請の高い分野への転換に取り組むこととされました。これについて私は、ある意味では必然だと感じているところがあります。私立大学が教員養成学部を次々に設立する中で、地域によっては国立大学より私立大学の方が、教員採用者数が多いところがあるんですね。幸い本学の所在する兵庫県においては、そのような状況ではないのですが。私立大学で間に合っているところに財政が苦しい国が予算を投入する意義が問われるのは当然だと考えています。
このような状況において、国立の教員養成系大学の意義というのは何でしょうか


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  尾上|   先ほどコミュニケーション力の話が出ましたが、教育課程が過密な中で学部の4年間だけでそれが身につくとは思えないんですね。学部から引き続き大学院でもいいですし、一旦、現場を経験してからでもいいのですが、教員養成の高度化というのは必須だと考えます。この教員養成の高度化については、私立大学では財政的に対応が難しく、国立が担っていくべき課題です。現在、貴学の教職大学院は全国で一番の規模ですが、今後さらに拡充させていくための取組をされており、大変意義があると考えます。


 
  加治佐|   それは重要な点ですね。様々な新しい教育現場の課題に対応するためには、教員は学び続けなければいけません。そのための基盤づくりは、国立の教員養成系大学及び兵庫教育大学が貢献できる点だと考えています。


 
 
line3.jpg   ありがとうございました。  

 

対談年月:2015年9月

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