小学校教員養成課程における教科教育・教科専門担当教員の恊働による保健体育系授業の開発 教育内容・方法開発専攻・行動開発系教育コース・准教授 小田 俊明

研究計画・方法

【平成25年度】

 これまでに我々の分野で行ってきた分野融合型に近い授業内容を分析し,実際の融合に向けた仮のカリキュラムと授業モデルを確立する(担当: 上原教員を中心とした全メンバー)。具体例を以下に示す。

1 .陸上運動のカリキュラムと授業モデル作成

 上原教員を中心として,陸上運動の指導に関わるモデルカリキュラムと授業モデルを作成する。 短距離走・リレー,幅跳び,ハードル等,小田のバイオメカニクスの知識・方法を活用し,客観的なデータを用いたEvidence Based Educationの観点から指導内容を厳選し仮の内容を確定する。具体的には,これまでに各種専門研究領域で明らかとなっている,体の効果的な動かし方の基礎理論と指導に関わる理論を凝集し,最適な形に再構成する。作成後,授業を実施し,その効果を計測する。授業の際にフレキシブルハードル(高),撮影用ビデオカメラ,教示用モバイル端末(グループ用),トランシーバーが必要とされる。

2 .体つくり運動のカリキュラムと授業モデル作成

 上原教員を中心として,体つくり運動の指導に関わるモデルカリキュラムと授業モデルを作成する。体力を高める運動,体の柔らかさ及び巧みな動きを高めるための運動,力強い動き及び動きを持続する能力を高めるための運動などでは山本教員の運動生理学,小田のバイオメカニクスの知識・方法を活用し,客観的なデータを用いたEvidence Based Educationの観点から指導内容を厳選する。具体的には,これまでに各種専門領域で明らかとなっている,心拍数,筋の力学的特性など生理学指標の基礎理論と指導に関わる理論を凝集し,最適な形に再構成する。作成後,授業を実施し,その効果を計測する。簡易型心拍計,行動計,ジャンプメータ,フレキシブルハードル(低),乳酸値測定機,簡易型筋力計等が必要とされる。

3 .調査により得られた結果の分析と修正モデルの作成

 島本教員を中心とした分析により,仮に作成した授業の分析,運動学的解析ならびに授業前後の学生の行動変容等を客観的に解析し,改善点をまとめる。調査,分析補助として,大学院生等による協力(10名)を依頼する際に謝金が必要である。比較用コントロール群として,従来型の授業の効果を同様の測定項目において他大学にて実施し,それらの分析を行う。

【平成26年度(予定)】

 改良されたカリキュラムと授業モデルを作成し,まとめを行う。観点としては,従来型との差異を明確にする点,実施項目の感度(影響度)を統計的に解析する。
 得られた成果を日本体育学会,日本スポーツ教育学会等において発表し,投稿論文を作成する。

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