メタ言語能力の活性化による国語科と英語科の相乗的学習プログラム開発【仮】 教科教育実践開発専攻 言語系教育コース[国語]・准教授 菅井 三実

研究計画・方法

【平成28年度】
 研究分担者の辻幸夫教授(慶應義塾大学)は、認知科学・神経心理学の専門家であり、最新の研究状況について情報交換を図るため、研究打ち合わせのための旅費(大学-東京の往復旅費と宿泊費49,000×3回)を計上している。実践的な検証に当たっては、太田八千代教諭(朝来市立和田山中学校)と大河内奈津子教諭(平塚市立中学校)の2名に協力を求め、内諾を得ている。2名とも本学大学院(言語系)の修了生であり、研究打ち合わせのための旅費(加東市-朝来市5,000円、加東市-平塚市32,000円)を計上している。2名の研究分担者(現職の中学校教諭)には、研究代表者との打ち合わせを踏まえ、実際の授業において、試行的に指導を行うとともに、そのフィードバックの提供を依頼する。また、授業の場で、即興的なプレゼンテーションを行うため、タブレット端末を各1台購入(60,000円×2校分)する。教材を作成するためアプリケーションソフトも購入する。

 取り上げる現象としては、意味論、語用論、文法論(語法)、音韻論、音声学の各分野で、日本語においてメタ言語能力の向上を図る練習を設定し、英語でも当てはまるように練習する。具体的には、(1)アクセントの質的な差異(高さアクセントと強さアクセント)について、日本語の高さアクセントを自覚的に理解した上で、対比的に英語の強さアクセントを身につける。(2)日本語において付属語(助詞と助動詞)が弱く発音されることを自覚的に理解した上で、英語において機能語(冠詞、前置詞、人称代名詞など)が同様に弱く発音されることを身につける。(3)日本語において不規則動詞がいわゆる変格活用ではなく敬語の体系に見られることを説明した上で、その頻度の高さと合わせて英語の不規則活用動詞を説明する。(4)日本語の助動詞の使い方を振り返った上で、英語の助動詞の使い方を身につける、といった現象を取り上げる見込みである。

 なお、本研究課題は「生命倫理・安全対策等に関する留意事項」には該当しない。

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