発達障害のある生徒へのナラティブ・インタベンション・ガイドブックの作成 障害科学コース・教授 高野 美由紀

研究の概要

 ナラティブ(語る行為)は人間の根幹にかかわる楽しい行為であり、集団で自らが語り、他者の語りを聴く活動を通して、居場所を作り相互理解や自己理解を深め、また、余暇のスキル形成も同時に行うことができる。このことから、自己概念が形成されていく思春期の時期に学校の安心できる場の中で、児童・生徒のナラティブを引き出していくことが発達障害の二次障害の予防につながることが伺える。しかし、発達障害のある児童・生徒が定型発達の子どもと比べてナラティブの発達の遅れなどがみられ、その発達を促す支援も必要である。

 そこで本研究では発達障害を持つ思春期の児童生徒に対して、ナラティブの発達を促し、自らが語りまた他者の語りを聴く活動(ナラティブ・インタベンション)を学校で行っていくためのガイドブックを作成する。具体的には、ナラティブに関して学校で先駆的に行われた活動を集積し、効果を支持する背景理論を整理し、実践する教員にとって使い易いプログラム、評価方法を開発し、教材の参考資料をまとめていく。

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