高等学校「在り方生き方教育」における教育課程と指導方法等の改善・充実に関する研究 学校教育研究科 教育実践高度化専攻・教授 谷田 増幸

研究の概要

 本研究の目的は、高等学校における道徳教育、すなわち「人間としての在り方生き方に関する教育」(以下、「在り方生き方教育」と略記)に焦点化してその改善・充実に資する教育課程編成と指導方法に係る基本的な概念整理と有意な実践の方向性をあらためて同定することである。
 そのため、新学習指導要領における「在り方生き方教育」の概念枠を基本的な視座として、国内においては第1 に「公民科」関係科目・特別活動等における「在り方生き方教育」の取組、第 2 に兵庫県における研究開発学校「公共」の取組及び同県における充実の取組、第3 に大阪府における「志学」の取組、第4 に茨城県や埼玉県等首都圏における道徳教育の取組を俎上に載せ、その理念的な枠組みをカテゴリー化するなどして実践の有効性及び諸課題の整理を行う。併せて、関連ある諸外国の動向として英国・ドイツ・韓国に絞り、そこでの高等学校段階における道徳教育の理論的枠組みと実践上の成果と課題を定点観測する。以上の諸調査及び分析を通して、「在り方生き方教育」におけるこれからの教育課程編成の考え方、教育内容及び指導方法の在り方、それに向けた条件整備等の諸課題を提言することをねらいとしている。
 本研究の成果は、次期学習指導要領の改訂を見据えたものであり、時宜を得た有力なエビデンスを提供することになることが期待される。また.国立教育政策研究所(文部科学省)、兵庫県をはじめとした各教育委員会、学校関係者等との連携を図り、「理論と実践の融合」を目指した課題解決・充実策を模索するものである。

Page Top