聴覚障害児のインクルーシブ教育:合理的配慮としての手話活用の実践的検討 学校教育研究科 特別支援教育専攻・教授 鳥越 隆士

研究の概要

 通常の学校に在籍する聴覚障害児童生徒が増加している。本研究では,難聴学級を持つ通常の小学校での聴覚障害児への合理的配慮としての手話活用の可能性について,以下の4点について実践的に検討する:(1)難聴学級在籍児童の手話へのニーズの評価と手話指導の効果;(2)聴覚障害児が参加する通常の学級での手話指導の効果;(3)聴覚障害児の参加する通常の学級での手話活用(手話通訳など手話による支援)の効果;(4)学校全体としての手話への取組の可能性。調査対象は,神戸市及び大阪市の難聴学級を持つ小学校2校(いずれも市の難聴教育のセンター校)で,難聴学級在籍児童はそれぞれ10人から15名程度である。それぞれの学校の実情に合った上記(1)~(4)の手話活用プログラムを開発し,実践する。プログラムの評価は,学校での参与観察と担当教員や聴覚障害児本人に対するインタビューにより行う。プログラムの検討に当たっては,地域のリソースの活用なども含め,学校運営・経営の視点から見た手話活用の在り方についても考察を深める。

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