英語科の「指導と評価の一体化」に関する研究:ダイナミック・アセスメントに基づく新しい評価枠組みの開発 学校教育研究科・教育内容・方法開発専攻・准教授 吉田 達弘

研究の概要

 本研究は,ダイナミック・アセスメント(以下,DA)の理論に基づいて中学高校の英語授業における指導と評価の一体化に関する研究を推進し,生徒の言語知識の内在化とコミュニケーション能力の向上を図る評価の枠組みを開発することを目的とする。DAは, ヴィゴツキーの発達研究及び社会文化的理論を基盤とする評価理論および枠組みである。過去の学習量(授業で学んだ語嚢や文法知識, 日本語訳の記憶量)の測定を目的とした従来の評価と異なり, DAでは, 教師が, 生徒の言語パフォーマンスに対して,理論的に裏付けられた基準に基づいた支援やフィードバックを与え,将来的に学習者が自立してパフォーマンスができるようになるかどうかを予測する。本研究では,基礎的研究を行った後, 中学校・高等学校の英語教師とともに,英語授業におけるDAの効果を検討し, いくつかのDAモデルを授業で実施しながら,データを収集する。得られたデータからDA理論に基づく教師フィードバックとその後の生徒のコミュニケーション能力の伸張との関係を検証する。研究成果は,学会発表や学会誌への投稿を通じて公開し, 同時に, 研修等を通して学校教育現場の指導の改善に役立てる。

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