英語科の「指導と評価の一体化」に関する研究:ダイナミック・アセスメントに基づく新しい評価枠組みの開発 学校教育研究科・教育内容・方法開発専攻・准教授 吉田 達弘

研究計画・方法

Ⅰ①-1研究体制
 今回の研究組織には,本学教員の吉田を研究代表者とし,研究分担者として本学附属中学校の英語科教員(3名)と本学大学院修了生の中学・高校の英語教員(4 名) ,大学講師(1名) が参加している。これは,DA の理論的 な検討を行ったあと, 中学や高校の英語の授業で実践を行い,データを収集するためである。

 ①-2 研究計画
【平成2 4 年度】
(1) DA理論に関する調査研究(平成24年7月~25年3月)
 DAについての基礎理論および学校教育への応用事例についての文献調査および学会での調査を行う。

(2) 英語授業におけるDA実施の検討(平成24 年9月~ 25年3 月)
 研究組織全体で研究会を5~ 6 回開催し,DA の理論とその評価枠組みを共有する。その後,英語授業でDAを活用した具体的な評価場面と方法を検討し, 聞く・話す・読む・書くといったスキルを伴う言語活動場面での評価モデルを試作する。評価場面では, タブレットコンピュータを活用し, 効率性を高める工夫を行う。実際にDA を活用した授業実践を行う学校を決定し, 附属中学校にてパイロット研究を実施する。

【平成2 5 年度 】
(3) DAの効果検証:英語授業でのDAの実施, データ収集(平成25年4月~ 12月)
 パイロット研究から出てきた課題を検討し, 評価モデルの修正を行う。その後, 中高の英語授業でDA を実施し,データ(ビデオ・音声・ライティング) を収集する。

(4) DAの効果検証:データの分析(平成25 年6 月~ 平成26年1月)
 DAを実施した評価場面を記録したビデオ, 音声を談話分析などの質的研究法を用いて分析し, 教師のフィードバック, 支援が効果的に生徒のパフォーマンスを促進しているかを検討する。また,調査校での生徒のコミュニケーション能力が変化しているのかを分析する。

(5) DA の評価枠租みの開発及び成果の公表(平成25年度後半)
 開発された評価枠組みについての成果を国内外の学会で公表し, 学会誌へ投稿する。学校教育現場へもフィードバックする。

 ② 経費と研究計画との関連性
< 旅費>
DA理論に関する調査研究[研究計画(1)]
 ・平成24年8月3~ 4 日 全国英語教育学会・愛知研究大会(愛知学院大学) (2泊3 日,5名)
 ・平成24年8 月7 ~9 日 外国語メディア研究学会(甲南大学)(3名)
 ・平成24年9月1~ 2 日 日本質的心理学会(東京都市大学)(2 泊3 日,1名)
 ・平成25年3 月17 ~ 19 日 American Association for Applied Linguistics(アメリカ)(4泊5日,1名)
英語授業におけるDAの実施の検討[研究計画(2 )]
 ・打合せ参加旅費(6回×5名,本学)
DA実践のデータ分析【研究計画(3)】
 ・学校訪問調査(本学~姫路,本学~ 西宮,本学~加古川,本学~篠山各2回×1名)
 ・打合せ参加旅費(5回×5名,本学)
学会発表[研究計画(5)]
 ・平成25年8月 全国英語教育学会・北海道研究大会(3泊4 日,3名)
 ・平成26年3月25 ~ 29日 TESOL(アメリカ合衆国・オレゴン・ポートランド)(4泊5 日, 1名)
< 備品>
DA理論に関する調査研究【研究計画(1)]
 ・図書:社会文化的理論,英語教育関係図書
英語授業におけるDAの実施可能性の検討【研究計画(2 ) ] ,DA実践のデータ分析[研究計画(3 )]
 ・タブレットコンピュータ:授業での教材提示およびDA評価用
 ・ビデオカメラ:DA実践撮影用

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