兵庫教育大学 特別支援教育モデル研究開発室

事業報告

2015年度 海外動向調査

イギリス訪問報告

 イギリスの特別支援学校における教師トレーニングや力量評価について調査するため、サリー州にある3つの特別支援学校、The Park School、Pond Meadow School、Freemantles Autistic Schoolを訪問しました。The Park Schoolは、軽度の知的障害と学習障害のある生徒さんを対象にする、日本の高等特別支援学校に相当する学校です。今回の訪問は、お二人の校長、Karen先生とPaul先生がコーディネートしてくださいました。この学校は、2013度のアドバンスド講座でKaren先生に特別講演をいただくなど、モデ研とはつながりの深い学校です。Pond Meadow Schoolは非常に重度の学習障害と肢体不自由を抱えたお子さんが通う、重度の知的障害特別支援学校であり、Freemantles Autistic Schoolは自閉症のお子さんを対象にした特別支援学校です。各学校の校長先生からお話をうかがいました。

 イギリスの学校では、校長先生を中心としたリーダーシップチームが構成されています。その規模は学校の大きさによって異なり、各学校の予算の範囲内でどのようなリーダーシップの構造を作るかは決められます。今回訪問した3校でも、それぞれ独自のリーダーシップチームの下で独創的な運営がされていました。その一方で、リーダーシップチームを引き継ぐ次世代リーダーの育成は、各学校が抱える大きな課題であるとのお話でした。
 教師トレーニングについても、学校ごとに様々な取り組みがされています。The Park Schoolでは、継続的CPDが導入され、1年のサイクルでトレーニングと評価が設定されています。トレーニングは、ベテラン教員と若手教員がペアになり、お互いの授業を見合って評価したりアドバイスしたりしあって行われます。またPond Meadow Schoolでは、毎日30分のトレーニング、毎週水1時間の全教員参加トレーニングなどが行われています。2年程前から勤務評価は給与査定に影響するようになり、トレーニングと評価がより重要になっています。しかしこのようなトレーニングも、学校によっては財政面の問題で実施が難しいというのが現実だそうです。

 お話の後に学校内を案内していただき、スマートボードやiPadをとり入れた授業や、校内環境の工夫などをみせていただきました。それぞれ全くタイプのちがう3校でしたが、どの学校でも子どもたちがいきいきしていたのが印象的でした。