1. 兵庫教育大学TOP
  2. 大学紹介
  3. 学長室
  4. 平成29年度大学院学校教育研究科学位記授与式式辞(夜間)

 平成29年度大学院学校教育研究科学位記授与式式辞(夜間)

  暖かい春の陽射しを日増しに感じる今日、この佳き日に、ご来賓各位のご臨席を賜り、兵庫教育大学・大学院学校教育研究科夜間クラスの平成29年度学位記授与式を挙行できますこと、本学を代表して心からお慶び申し上げます。63名の修了生の皆さん、誠におめでとうございます。
<  皆さんは、本学に入学以来、日々勉学に励まれ、精進された結果、本日無事、学位を取得するという晴れの日を迎えられました。兵庫県・神戸市をはじめとして各地域から通学された教員の皆さん、教員以外の職をお持ちの社会人の皆さん、それぞれの目的は違っているにしても、この2年あるいは3年間を振り返ると、ひとしお感慨深いものがあると思われます。何よりも夜間クラスの場合は、学生どうしの絆が強く、同じ大学院生という立場で学ぶ仲間との語り合いを通して、大切な友人を得、ご自分の将来に影響を及ぼすような信頼できる方々と出会われたことでしょう。また、ご家族のご理解、そして職場の同僚の方々のご理解があってこそ修了に辿り着いたと感謝されていることとお察しします。夜間クラスの皆さんの真剣な学びには、目的を達成する意志の強さを忍耐力が伝わり、誠に敬服の至りであります。そんな皆さんを本学の誇りに感じている次第です。
  本学の大学院第一期生の修了から、すでに37年が経過し、昼間・夜間の両クラスを合わせると、これまでの修了生は9656名になりました。また数年前には、このフロアを全面拡張・改装し、名称を「神戸ハーバーランドキャンパス」といたしました。今、夜間クラスで学ばれる大学院生の学習環境は、まだ十分とは言えませんが、年々改良を続け、少しずつではありますが良くなっています。皆さんのように立派な修了生が巣立っていく、この神戸ハーバーランドキャンパスを我々の誇りとし、夜間、勉学に励む貴重な学び場として、ますます発展させていきたいと願っております。
  さて、話は変わりますが、現在、ビッグデータや人工知能AIに関するニュースが日々伝えられ、良きにせよ悪しきにせよ、今後の社会の変化を予感させます。教育の現場でも、これらの技術は徐々に浸透し始めています。
  国立情報研究所の新井紀子教授のグループは、東大合格を目指す人工知能、東ロボくんを開発し、すでに全国の国公私立大学の7割近くまで合格可能性があるレベルに達しています。確かに、知識を主に問う、問題であれば、AIが得意とするところです。しかし、この人工知能プロジェクト研究から得られた、非常に重要な結論はもっと教育の根本にかかわることです。それは、生徒とAIの読解力の違いを比較するために、全国の中学生・高校生を対象として、教科書ベースの読解力調査を行った結果、中学校卒業段階で、教科書の意味を十分理解できていない生徒が、半分以上に達したという、驚くべき結果が示されたということです。これからの社会を生き抜くうえで、教科書が読める、正しく理解できるということは、実は子供の未来を左右する大きなファクターであるというのです。つまり、東ロボ君プロジェクト研究の結果として、「子供たちが身に付けるべき力」とは、文章を読み、正しく理解する「リーディング・スキル」であるということです。
  現在、教員の働き方改革の議論が進んでいます。その一方で、学習指導要領の改定の度に、新しい課題が取り込まれ、授業時間が確保できない等、業務が満杯の状況です。これでやっていけるのだろうかと不安に感じておられる方も多いと思います。しかし、一方で、教員は、やりがいのある仕事であることに変わりはありません。特に、社会が大きな変革時である現在、何よりも教育が重要であると言うのは社会の一致した意見です。「人づくりは国づくり」として始まった教育再生実行会議は、数年を費やして合計10回の提言を行っていますし、次々示される中央教育審議会の答申を見ても、教育に賭ける国の姿勢が明らかです。国の示す方向性は大事ですが、すぐに対応できない課題もたくさんあります。働き方改革の業務削減にしても、一律の削減ではなく、それぞれの地域や学校、教職員に適した業務削減であるべきです。子供たちへの教育を考える上で、増える業務と減らす業務のバランスをどうとるのか。先ほど申し上げた、「変ってはならないもの」を堅持した上で、これらの困難な問題の解決に、本学修了生は果敢に挑戦して欲しいと願っています。
  このように変化し続ける現代社会の中においてこそ、皆さんの職場において大胆な発想で知識・情報を体系化することが重要です。そのためには、時間と体験と智慧、そしてさらなる忍耐が必要です。学び続け、考え続けることが求められます。皆さんが初心を貫徹して本学で学び抜いたという体験は、職務を取り巻くいろいろな課題解決に向け、確かな礎とならんことを期待しております。
  最後に、修了される皆様、御一人御一人が自らの可能性を信じて挑戦し続け、その成果が、職場だけでなくご家族、ご友人に希望と喜びを与えることを祈念して、学位記授与式式辞といたします。

平成30年3月23日 兵庫教育大学長 福田光完

お問い合わせ

本学HPに関するお問い合わせ

大学広報室
office-koho(あっと)ml.hyogo-u.ac.jp ※(あっと)は@に置き換えてください

PAGETOP