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令和2年度大学院学校教育研究科(夜間)学位記授与式式辞

 大学院学校教育研究科夜間クラス、そして教育政策リーダーコース、合計75名の皆さま、修了本当におめでとうございます。今日はかなりの方に出席いただいております。コロナ禍にもかかわらず、多くの修了生に集まっていただいて本当にありがとうございます。皆さまの強い思いが伝わってまいります。

 皆さまの本学大学院での2年、3年、もっと長い方もおられますが、いかがだったでしょうか。ほぼ全員がお仕事を持ちながらですので、いろいろなご苦労があったことでしょう。それだけに、学位を取得した達成感はひとしおではないかと思います。それが今日の高い出席率にも表れています。

 とりわけ最後の1年間、つまり今年度は、われわれもそうでしたけれども、皆さんもいろいろな思いがあるのではないでしょうか。オンライン授業が専らになりました。後期からは対面も復活しましたが、通常とはかなり異なる状況でありました。オンライン授業では、移動しなくていいなど、利便性が高いとの声を夜間クラスの学生からもたくさん聞いておりました。一方で、教員との間や仲間同士の対面での交流ができないことによる問題点の意見もまた伺っておりました。

 私もコロナ禍のようなことは70歳近くになって初めての経験で、いろいろなことについて認識を改めました。その一つが、これから大学教育は大転換すると確信していることです。従前の完全な対面授業に戻ることはなくて、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド型の授業が専らになります。大学に限らず、初等中等教育の学校や他の職場でもそういうふうになるでしょう。皆さまは、これからオンラインの授業を提供する側に回る方が多いと思いますが、オンライン授業を受けた経験をそこに生かしてください。

 さて、大学院での学びによって、何か特定の力がついたという実感はありますか。このことについて、ぜひ自覚してほしいことを二つほど述べます。

 皆さんは修士論文を書き上げられました。教職大学院の方も何らかの成果をまとめました。それ以前には、多くのコースワークがあって、そこで様々な課題をこなして単位を取得しました。これらのことを通して、研究の方法を修得されたはずです。分かりやすく言うと、データの収集や分析の方法を習得した、ICTのスキルが上達した、学術論文が読めるようになったといったことです。もちろん人によって程度の差はありますが、一定の期間、集中して学んだことでこのような力がついたのです。これは、学び続けるための基盤となります。このことを自覚してください。これが一つです。

 皆様は年齢がさまざまです。仕事もさまざま、住んでいる場所もさまざまです。苦労の度合いはこれらによって異なったと思いますが、いずれにしろ全ての方が学位を取得しました。一つの大きな目的達成です。しかも、厳しい条件の中での目的達成です。自己肯定感とか自尊心が間違いなく高まっているはずです。文字通り、やり遂げる力、GRITも身についているでしょう。これも皆様のこれからのキャリア形成において土台となりますので、自覚をお願いします。

 人生100年時代、大学院に入学するような大きな学び直しの機会が再度訪れることが十分に考えられます。学びの基盤になるような能力とやり遂げる力をそのときに生かしてください。

 兵庫教育大学とのネットワークを、修了後も継続くださるようにお願いします。対面での、またオンラインでの仲間同士の学び合いで培われた絆を修了後も生かしてください。今後も、ハーバーランドキャンパスの施設を有効活用してください。さらにレベルの高い学びをしたい方は博士課程進学を考えてください。夜間クラス以上に完全フレックスですので、勤務しながらでも十分に全うできます。現職者の学生が多いことは本学の博士課程の特色です。

 皆さまの本学での学びが今後に有効に生きますことを祈念いたしまして、私のお祝いの言葉といたします。おめでとうございました。

令和3年3月23日 兵庫教育大学学長 加治佐哲也

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