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令和3年度大学院学校教育研究科(夜間)入学式式辞

 大学院学校教育研究科修士課程夜間クラス、教職大学院教育政策リーダーコース、学校教育コース、合わせて63名の入学生の皆さま、ご入学本当におめでとうございます。兵庫教育大学の教職員を代表いたしまして、心からお祝い申し上げます。また、皆さまのご入学を歓迎いたします。神戸もまだ感染が全然収まりません。その中でこのようにたくさんの方にご出席いただきまして本当にありがとうございます。

 まず今日お話ししたいのは、大学教育が昨年のコロナ禍によって大きく変わったことです。それは今年度も、コロナが収束したポストコロナになっても続くと確信しております。これまでは、この夜間クラスでも、ほぼすべての活動が対面でした。授業も研究指導もです。それが昨年から大きく変わりました。オンラインが中心になったのです。そして、対面も10月の後期から入ってきて、オンラインと組み合わせた授業を行いました。これは今年度以降も継続続しますので、これにぜひ馴染んでください。

 現職の先生や他の職業に就いている方が、皆様のように働きながら学びに来られています。そういう社会人の学生にとって、オンラインの利便性は非常に高いのです。移動する必要がありません。決まった場所に行かなくてもいい。自宅や職場から授業を受けることができます。ただ同時に、この1年間経験しまして、対面での授業や学生間の交流も非常に貴重であり、対面の価値はこれまで以上に高いこともわかっております。

 ですから今後は、われわれが、対面の良さとオンラインの良さをいかにうまく組み合わせて提供するか、また皆さま学生の方が、自分の仕事の都合とか学びの仕方に合わせて、いかに双方の良さを引き出し、上手く活用するかが重要です。ぜひそのようにお考えください。

 中には、私は対面で授業を受けるつもりで入学したという方もおられるでしょう。あえて申し上げますが、ウィズコロナ、ポストコロナにおいては、対面だけでは学びや仕事は成り立ちません。オンラインの利点を学びや仕事において活用することが不可欠になります。皆さんの中には仕事でテレワークをやっている方もおられると思います。大学院の2年ないし3年の間の経験を通してオンラインやICTを確実に使いこなせるようになると、テレワークにおいてもかなり仕事の効率が上がるでしょう。そういうことにもつながりますので、ぜひ使いこなしてください。これが1点目です。

 二つ目です。これから2年間なり3年間なり、あるいは中にはそれ以上の方もおられると思いますが、それぞれの専門の勉強をしっかりやっていただきたい。最終的に修士論文を書かれる、あるいは教職大学院であれば何らかの実践的な報告書をまとめます。これをしっかりやっていただいて力を付けていただきたいのですが、その力をつけることの中に、次のことも入れていただきたい。

 それは、皆さまはこの2年間ないし3年間にかなりの時間とお金を投入します。その価値をより高めていただきたいのです。その価値を高めるために、修了後にも繋がる学びを意識してほしいということです。

 幸か不幸か、われわれは本当に長く生きるのです。今日はだいぶ若い方が多いのですけれども、今、学び直しに来られています。おそらく同じ仕事を続けても、仕事が変わっても、また学び直しが必要となることは十分あり得ます。皆さま、働くのは60歳までと思っているかもしれませんが、目前にきている人生百年時代になると、70歳ぐらいまで働く必要があるということがいわれだしました。80歳ぐらいまで働くことも可能性も十分あります。そうすると、また学び直さなければならないでしょう。それに繋がるような学びを大学院でしてほしいのです。

 例えば研究指導を受ける中で、また通常の授業でも理論を学びます。理論を学ぶには学術論文を読む必要があります。学術論文を理解することはそれほど容易ではありません。その読み方なり理解の仕方というのを学んでいただく。また、ほとんどの方は調査法を学ぶと思います。統計的な調査法、あるいはいわゆるケーススタディ、質的な調査法です。こういうものは次の学びをするときに必ず役立ちます。

 皆さまはなかなかお忙しいので、一堂に会して学ぶ機会は少ないかもしれませんが、仲間はできます。仲間とのつながりはネットワークとして修了後に有用です。ネットワークは学びの基盤になります。さらには、指導教員やコースの先生方と知り合いになります。そういう繋がりは次の学びをするときに生きます。そういう観点からも仲間づくりとか先生との関係づくりを考えてみてください。このようなことを、ぜひ心がけていただきたい。

 最後になります。仕事をされながらですので、学ぶ条件としてはなかなか厳しいと思います。2年の在学期間を予定されている方もいるし、3年にしようという方もおられますが、休学等を活用すればかなりの期間在籍できます。それを勧めているのではなく、諦めないでほしいということです。かなりの初期投資をして入学した以上、必ず成就してください。多少無理をしないと成就できないかもしれません。無理はしなければいけないが、無理し続けては駄目です。健康が一番です。時間をかけていいのです。そのようにお考えいただいて、必ず修了して学位を得てください。

 このようなことをお願いしまして、私からのお祝いの言葉といたします。どうぞ頑張ってください。

令和3年4月5日 兵庫教育大学学長 加治佐哲也

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