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令和3年度大学院学校教育研究科(夜間)学位記授与式式辞

 兵庫教育大学大学院学校教育研究科修士課程人間発達教育専攻の夜間クラスの方、臨床心理学コースの方、そして専門職学位課程教職大学院の教育政策リーダーコースの方、合わせて令和3年度82名の修了生の皆さま、本当におめでとうございます。兵庫教育大学を代表いたしまして、心よりお祝い申し上げます。

 いかがですか、2年あるいは3年、それ以上の方もおられるかもしれませんが、感慨ひとしおではないでしょうか。特にこの2年は完全にコロナ禍にありまして、私どももチャレンジの毎日でしたが、皆さまも入学前に想定していた学びのスタイルと違ったのではないかと思います。

 ただ、特にお仕事をもっておられる方にとっては、オンラインの授業は非常に利便性が高いこともよく聞いております。社会人対象の学びにおいては、オンラインは大きな可能性をもっていると本当に実感しております。ただ、臨床心理学コースの昼間の方も今日はたくさんおられますが、やはり対面は重要です。特に私が感じますのは形式的な会議とか、一方的な知識の伝達とかそういうものはいいと思いますが、深い議論とか、あるいは何かをつくるための相互交流となってくるとやはり雑談が要ります。その雑談がなかなかオンラインでは難しいです。

 その点、オンラインの限界も感じるのですが、オンライン授業の利便性の高さが広く認識されましたので、ポストコロナになってもなくなることは絶対にありません。むしろ、もっと広がっていくでしょう。これから皆さまは多くの方がオンラインを使って指導される側に回られると思います。そのときには、オンラインのスキルを上げることをぜひ心掛けてください。

 同時に、オンラインと対面と組み合わせたハイブリッドやハイフレックスの授業の力量を上げていくことも重要です。ハイブリッド・ハイフレックス授業では、オンラインのスキルも大事ですが、対面の価値がもっと問われます。皆さまもオンラインの利便性が分かってくると、対面の授業をするといわれたときに本当にその価値があるのかなと思いませんでしたか。わざわざ時間をつくって、お金をかけて移動して、みんなで集まる価値があるのかを問うと思うのです。ですから、それだけの価値をもつ対面授業をつくることが本当に大事になってきます。大学はオンラインの授業のスキルを上げると同時に、対面の価値をもたせる、そこに今、大きな注力をしています。

 さらにもう一つだけいいますと、これはオンラインのスキルの中に入ると思いますが、私は先ほどオンラインでは深い議論をするとか、深い交流をするには限界があるといいましたが、オンラインでやらざるを得ない状況もあり得ますので、オンラインを通じたより深い交流もできるようになる必要があります。これからオンライン授業をつくる側に回りますので、この2年ないし3年の経験をぜひ生かしていただきたいと切に思います。

 本学のコロナの感染状況をお伝えします。大学院の方はこの第6波まではほぼなかったですが、今年に入ってからの第6波ではそれなりの数の方が感染されました。ただ、大学の授業等での感染は見られませんし、重篤になった方がいたとの報告も受けておりません。その点、皆さま方がしっかり感染対策を順守していただいたことが功を奏したと思っております。修了にあたりまして、お礼を申し上げたいと思います。

 修士号を得ました。あるいは教職修士の学位を得ました。何か力がついたという感じをもっておられますか。ぜひ自覚してください。一つは、これは必ず申し上げることですが、どうですか、学び方を学んだという実感はありますか。例えばICTのスキルが上がったとか、統計調査とか事例調査の方法が分かったとか、臨床心理学コースの方はたくさんケースに取り組んだと思いますがその手法を学んだとか、学術論文が読めるようになったとか、もっといいのは学術論文が書けるようになったとか。こういう力です。これはいわゆる学び方を学んだことになります。これが今後、皆さまの人生において大きな意味をもつと自覚いただきたい。

 VUCAの時代という言葉を聞かれたことがあると思います。変化が激しいのです。しかも予測のできない変化が起こる時代です。VUCAの時代、学び方が分かっていることはきわめて重要です。学び方を活用して、学び続けないことには変化対応ができないからです。学び方を学びましたので、それを活用してぜひ学び続けてください。

 それからもう一つ、お仕事をしながら学ばれた方が多いと思います。失礼ですが、年齢の高い方も結構おられます。働きながら学ぶのは大変です。どうですか、何か自信のようなものはできましたか。自己効力感みたいなものはありますか。つまり、自分に自信をもつ契機にしていただきたいのです。なかなかできることではないです。それができたということですので、今後、自分が自信をもって生きていくため、あるいは困難に直面したときに自分を励ます材料になりますので、ぜひ自覚いただきたいと思います。

 先は長いですよ。年配の方もおられますが、まだまだ先は長い。この中の多くの方が100歳ぐらいまで生きると思います。100歳ですよ。私もまだ、だいぶあるのですよ。100歳まで生きることを考えたときに、学び続けるための自己効力感みたいなものはきわめて重要だと思います。そういうものを得られたことを、ぜひ実感していただければよろしいのかなと思います。

 最後になりますが、兵庫教育大学とのお付き合いを今後もどうぞよろしくお願いいたします。ハーバーランドキャンパスをまた活用してください。ただ、まだ時期がはっきりしない面もあるのですが、数年後には新長田の方に移ります。広くなります。少し遠くなりますが、施設は格段に良くなりますので、そちらも活用していただければと思います。同窓会もあります。こちらも参加してください。

 さらに学びたいということであれば、本学には博士課程がありますので、ぜひそちらも志向してみてください。修士号や専門職の教職修士も非常に価値がありますが、博士号はもっと希少性があります。もっと苦労はしますが、長い人生チャレンジしてもよろしいのではないでしょうか。完全フレックスですので、働きながら学ぶことができます。

 それでは、皆さまのこれからの人生が学位を取得したことで、より充実したものになることを祈念いたしまして、私のお祝いの言葉といたしたいと思います。どうもおめでとうございました。

令和4年3月23日 兵庫教育大学学長 加治佐哲也

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