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令和4年度学校教育学部入学式式辞

 学校教育学部令和4年度160名の入学生の皆さま、本当におめでとうございます。今、お気持ちはいかがですか。本日は天気が良くて、桜も満開で、本当に皆さまをお迎えするいい日になったと思っております。

 保護者の皆さま、残念ながらコロナ禍で会場にお越しいただけませんが、オンラインでご視聴いただいていると思います。お子さまのご入学先として本学をお選びいただきまして本当に感謝いたします。4年間のお付き合いをどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、入学生の皆さまにまず申し上げたいのは、大学教育が大きく変わっていることです。ご存じと思います。皆さまの高校生活の2年生、3年生もそういう傾向があったと思いますが、オンラインを活用した授業が非常に増えております。専らオンライン、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型といっていますが、そういう授業がむしろ主流になっています。ぜひ、オンラインの授業、またオンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型の授業を、そうした授業を受ける側として有効活用してください。

 皆さまの4年後の卒業のとき、コロナは収まっていると思いますが、コロナで急速に普及したオンライン型の授業がなくなっているかというと、もっと盛んになっていると思います。ご存じのように、皆さまが就かれようとする学校教育の世界も同じことです。ですから、この4年間のハイブリッド授業やオンライン授業の経験を、皆さまが教師になって子どもたちに指導する立場になったときに生かすと考えてください。

 例えば、オンライン授業を受ける側の気持ちは受けてみないと分からないのです。子どもが家庭にいてオンライン授業を受けるとどういう気持ちになるのかがお分かりになるでしょうから、教師になったときに、オンライン授業づくりに生かせるでしょう。そういうつもりで、オンライン授業に前向きに取り組んでください。

 二番目に申し上げたいのは、今、申し上げたことと関連するのですが、これからの教師には今までとは違う能力が求められます。Society5.0という言葉を聞いたことがあると思いますが、学校教育ではSociety5.0時代に生きる子どもたちを育成しなければなりません。そうすると、先生もSociety5.0に必要な力を身につける必要があります。

 例えば、ICTを活用した指導力です。EdTechともいわれます。また、一つ一つの教科だけではなくて、教科を横断的に教えるSTEAM教育です。さらには、子どもたち一人一人がみんな1台端末を持っていますので、端末に集められたデータを分析して、それを授業改善に生かすことです。そのためには、AIやデータサイエンスの知識が要るのです。さらにまた、これからますます学校でもダイバーシティが求められます。そうするとインクルーシブ教育がますます必要になります。こういう力を身につけていただきたいのです。

 本学はこの3月に文部科学大臣から、教員養成フラッグシップ大学に指定されました。フラッグシップとは、フラッグは旗で、シップは船、要するに旗艦ということです。ですから、全国の教員養成大学の最先端を行くような取組をします。先ほど申し上げたEdTechやSTEAM教育やデータサイエンスなど、そういう授業をこれから積極的に提供します。皆さまはその第1期生となります。

 4年後、教師になります。当然、最初は新米教師です。ところが、このEdTechやデータサイエンスを使った教育活動においては、大学を出たての方がむしろ先輩の先生方の指導役になることが期待されているのです。ですから、皆さんはそういうつもりで、EdTechやデータサイエンスを積極的に学んでいただきたい。

 最後に、もう一つだけ申し上げます。今は恐らくほぼ全ての方が4年後、教師になろうと思っておられると思います。われわれとしてはぜひそうなってほしいと強く願っておりますが、なかなか現実はそうもいかない面があります。4年間いろいろなことがあると思います。順調にいかないこともあるでしょう。

 一番影響の大きい経験が教育実習といわれています。本学は1年生から教育実習がありますが、とりわけ3年次には長い実習があります。この教育実習で当然、自信を深められる方もおれば、そうでない方もいるわけです。これはどこの大学でも同じだと思いますが、自信をもてたら出たらそれをさらに伸ばしていけばいいのですが、そうでなかった場合、簡単に諦めないでください。いろいろ友達と相談するとか、指導教員の先生に相談するとか、あるいは本学はキャリア開発センターがありますので、そこに校長を経験したような方がたくさんおられますので、ぜひいろいろ相談してみてください。

 教師という職業は、皆さんわかっておられると思いますが、本来、クリエイティブな仕事なのです。つまり、新しいものをつくる仕事なのです。ところが今は長時間働いて、たくさんの業務を無理やりやらされているイメージがあるかもしれません。違いますね。子どもたちのために授業や学級経営をつくる。特にこれからはICTを活用した授業をつくらなければならない。これまでにないことを行うわけですから、本当に創造力が求められるのです。ですから、常に新しいものをつくっていく仕事だとぜひお考えください。非常にやりがいがあります。

 AIが発達すると、お聞きになっていると思いますが、いわゆる定型的な業務のみをこなす仕事はなくなるといわれています。高度専門職の代表である弁護士や公認会計士の職も危ういという人もいます。しかし、教職は新しいものを自分でつくる創造的な仕事であって、定型化できませんので、なくなることはあり得ません。

 そのようなことを入学時にご確認いただくとともに、今の初志をぜひ全ういただくようにお願いします。

 それでは、これからの4年間が皆さまの素晴らしい人生をつくる糧となることを祈念いたしまして、学長からのお祝いの言葉としたいと思います。どうぞ頑張ってください。

令和4年4月5日 兵庫教育大学学長 加治佐哲也

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