教職大学院が養成する教師の専門性に関する研究―「優れた教育実践者」と「優れた教員養成者」養成するための教職大学院のカリキュラム改善に向けた提言― 教育実践高度化専攻・准教授 山中 一英

研究計画・方法

【平成23年度】

1 .「優れた教育実践者」に求められる職能と「優れた教員養成者」に求められる職能の(共通性と独自性についての) 明確化[国内調査]

(1 )文献研究
 「優れた教育実践者」に求められる職能と「優れた教員養成者」に求められる職能についての心理学と教育学を中心とした文献を展望し, 両者に共通する要素とそれぞれに独自の要素を同定するとともに,種々の課題を整理する。そして,それを(後述する) 質問紙の開発にいかす。
(2 )実証研究

2 . ロンドン大学教育研究所(IoE) におけるMTLに関する調査[海外調査]

 本研究の課題は, IoEの課題でもあろう。本学の教職大学院とIoEのMTLは課題を共有しているといえ,両者の協働によって,研究が飛躍的に発展することが期待される。そこで,IoEを訪問し,MTLにかかわる教員へのインタビュー調査を行うとともに,本研究の問いを含む現職教員教育にかかわる論点について議論を行い、双方の制度に共通する課題と改善点を明らかにする。〈海外調査旅費〉


【平成24年度】

1 .本学教職大学院の各コース(小学校教員養成特別コースを除く)の修了生を対象にしたアンケート調査[国内調査;実証研究]

 前年度に開発した「優れた教育実践者」としての専門性と「優れた教員養成者」としての専門性を測定する質問紙を,本学教職大学院の修了生(現職教員のみ) を対象に実施し,職場復帰後のミドルリーダーあるいは学校経営リーダーとしての役割についての現状を明らかにする。

2 . ロンドン大学教育研究所(IoE) におけるMTL に関する調査[海外調査]

 前年度につづき,IoEを訪問し,上記1 のアンケート調査の結果について報告を行うとともに,MTLと教職大学院制度の共通点と相違点を整理したうえで,双方の改善のための具体的方策を議論する。

3 .教職大学院のカリキュラム改善のための提言

 それまでに実施された国内調査および海外調査の結果をふまえ,「優れた教育実践者」の養成だけでなく「優れた教員養成者」の養成にも寄与する,本学教職大学院の授業内容と方法さらにはカリキュラム全体に関する提言をまとめる。

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