Society5.0時代を生き抜く人材育成のための探究学習プログラム―「高校生版・Information Analysis 5&5」の有効性の検証― 教育実践高度化専攻・グローバル化推進教育リーダーコース・講師 吉田 夏帆

研究計画・方法

(1)研究代表者・研究分担者の相互関係(役割分担状況)も含めた研究計画・方法

 第一に、前述の研究目的①について、まず文献調査を行い、探究学習プログラム「高校生版・Information Analysis 5&5」と文部科学省の「総合的な探究の時間」の目標や枠組みをそれぞれ整理し明示する。そして、両者を突き合わせて比較することで、探究学習プログラム「高校生版・Information Analysis 5&5」の目標や枠組みが文部科学省の「総合的な探究の時間」のそれとどの程度合致しているかを明らかにする。これにより、文部科学省の「総合的な探究の時間」としての、探究学習プログラム「高校生版・Information Analysis 5&5」の目標や枠組みの有効性を検証する。第二に、研究目的②について、まず文部科学省の「総合的な探究の時間」が育成しようとする学習者の資質や能力を整理し明示する。そして、探究学習プログラム「高校生版・Information Analysis 5&5」がそれらの資質や能力の獲得にいかに貢献し得るかを明らかにすることで、同探究学習プログラムの学習効果を検証する。また、同探究学習プログラムの特色である「問いかけによる指導」と「合宿形式による探究」の効果を調査することで、同探究学習プログラムの手法の有効性もあわせて検証する。第三に、研究目的③について、探究学習プログラム「高校生版・Information Analysis 5&5」が、実際の学校現場でどの程度実現可能なものであるかを、同プログラムを実施する上で必要となるリソース、経費、教師の指導力、学習環境などの観点から分析し明らかにする。その上で、より汎用性の高い同探究学習プログラムの提示を試みる。なお、探究学習プログラム「高校生版・Information Analysis 5&5」の実施体制と本研究の具体的な調査方法、ならびに研究計画については、それぞれ表1および表2に示す。

表1 実施体制および調査方法

実施体制 【実施者】全体統括のモデレーター1人、グループ付きのサブモデレーター4人/ 【参加者】1校につき4グループ(1グループにつき5人程度の学習者)、参加高校の付き添い教職員1〜2人/【実施場所】各校の宿泊施設あるいは各校近隣の研修所等
実践対象 【対象校】西日本の高等学校5校/【対象者】探究学習プログラム「高校生版・Information Analysis 5&5」に参加する高校生約100人(1校につき20人程度を想定)
データソース 研究目的① 探究学習プログラム「高校生版・Information Analysis 5&5」のテキストや「総合的な探究の時間」に関する文部科学省等の各種文献
研究目的② 「総合的な探究の時間」に関する文部科学省等の各種文献/学習者・モデレーター・サブモデレーター等への質問紙調査や半構造化インタビュー調査の回答/サブモデレーターの問いかけとそれに対する学習者の応答など(録音により収集)
研究目的③ 対象校の教職員への質問紙調査や半構造化インタビュー調査の回答

表2 研究計画

4〜6月 研究目的①の調査
研究目的②③の調査準備
7〜9月 探求学習プログラムの実施(A〜C校)
研究目的②③の調査準備
10〜12月 探求学習プログラムの実施(D・E校)
研究目的②③の調査
1〜3月 研究成果取りまとめ
最終報告会(研究成果発表)

※ 本研究における役割分担として、研究代表者は調査研究に係る全事項を、研究分担者は統括補助、対象校との調整業務、調査・分析補助をそれぞれ担当する。

(2)主要設備(現有設備を含む)との関連や経費と研究計画との関連性

 調査研究全般で必要となるパソコンやレーザープリンター、研究目的②の調査で必要となる録音機器等については、研究者らの現有のもので対応する。各種消耗品については、探究学習プログラム「高校生版・Information Analysis 5&5」の実施にあたり必要な文具等を計上している。さらに、同探究学習プログラムおよび本研究の実施に係る経費について、旅費は研究代表者・研究分担者・研究協力者(モデレーターおよびサブモデレーター)分を計上し、謝金は研究協力者(モデレーターおよびサブモデレーター)分のみを計上している。成果発表会経費については、無料のオンライン開催を予定しているため経費は計上していない。

成果発表会

 成果発表会については、中間報告と最終報告を行う次の2つの会の開催を予定している。

【中間報告】

形式:教員研修プログラム(研修会)/参加対象者:学校教員をはじめとする教員研修プログラム参加者/規模:20〜30人程度/会場:兵庫教育大学神戸キャンパス(対面開催を予定)

【最終報告】

形式:研究成果発表会/参加対象者:学校教員をはじめとする探究学習に興味関心のある教育関係者/規模:オンライン開催を予定しているため上限なし/会場:日本全国から参加者を募るため、無料のオンライン開催とする予定

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