東日本大震災の被災後5年間における児童生徒への教育的な心理的支援に関する研究 学校心理・学校健康教育・発達支援コース・教授 藤原 忠雄

研究の概要

 東日本大震災から5年が経過した。被災地は甚大な被害を受け,津波による直接的被害だけではなく,被災者の多くは突然訪れた非日常(家庭環境・生活環境)の中から少しずつ日常性を取り戻す5年間であった。この間,不登校の増加を始め,学業面,心理面,行動面などの様々な問題が報告されてきた(宮城県教委,2013)。こうした児童生徒のストレスに起因する心の問題への対応が求められる中,宮城県教委は子どもたちの心のケアを担う中核的人材育成のため,平成24年度から毎年3名の養護教諭を本学大学院に5年間派遣している。

 そこで,この派遣事業に参加した修了生と現在の派遣教員を中心としたプロジェクトチームを組織し,被災後5年間における児童生徒へ必要な心理的支援の在り方を検討し,今後の児童生徒への心理的支援の充実に資する。また,熊本地震など新たな被災地での児童生徒への教育的な心理的支援の在り方を検討する際の資料とする。

Page Top