オーロラに恋して:植木陸仁フィンランド留学記(第2話)

エッセイ フィンランド 学生 留学

植木陸仁、21歳。現在、フィンランド留学中。
幼少期にシカゴに住んでいた経験もあり、英語とヒップホップが大好き。
高校時代から自分で音楽を作るようになり、今では二人組ユニット「Stan Crap」としてCDデビューまで果たす。
でも、将来は父と兄の背中を追って、あくまで教職の道をめざし、勉学に励む日々。
社会人になる前にもっと自分を裸にしなくては。そんな意気込みで飛び込んだフィンランドで、彼が見たこと考えたことを綴ります。


第2回:フィンランドでの生活

 ついにフィンランドへ出発する日がやってきた。これまで色んな留学生の体験談を読んできたが、その誰もがワクワクした気持ちで出発日当日を迎えていたように感じる。飛行機の中で私は、色々なことを考えた。留学を終え、飛行機に乗って日本へ帰国する自分を想像した。

 自分は少しは成長できるだろうか?充実した留学生活を送れるだろうか?そんな不安でいっぱいだった。同時に、自分をサポートしてくれている方々のことを思い出した。とにかく留学中は一日一日を大切にして、たくさんのことを経験しようと強く思った。



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空港で見送ってくれた兵庫教育大学の友達


 そして、フィンランドの空港に到着した。空港はとにかくオシャレだった。どこをみても芸術的な建造物があり、しばらく立ち止まって眺めた。その中でも、トイレのデザインに、日本との違いを感じた。日本のトイレといえば、赤色が女性用トイレで青色が男性用トイレだ。しかし、フィンランドでこのようなデザインは見たことがない。どちらも同じ色で塗られており、赤と青で分けられたデザインに慣れている私は少し戸惑ったが、その意味について自分なりに考えた。女性=赤、男性=青、私たちの中でそんなイメージがあるように感じる。日本では男女共用トイレが設置され始め、大きな話題となったが、フィンランドでは既に空港だけでなく、駅、大学等さまざまな場所で男女共用トイレが設置されていた。


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 フィンランドの幸福度が高い理由の中にも、こういった取り組みが影響しているのではないかと思う。

 フィンランドの主な交通手段の中に、電動スクーターがある。それぞれのスクーターにはQRコードがあり、専用のアプリケーションを使うと使用する事ができる。少しの距離であれば、多くの人が電動スクーターを使用していた。使用する距離に応じて、料金が発生する仕組みになっている。電動スクーターはとても便利だが、冬場は雪が降り地面が凍結するので、電動スクーターは回収されていった。また、スーパーマーケットでは無人のロボットが配達を行っている。ロボットにはカメラがついていて、人や車、自転車との距離を適切に保ちながら、依頼者の元まで商品を届けていた。交通量が少なく、治安が守られているからこそ、配達ロボットが活躍できている。



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 大学の学食はビュッフェ形式になっており、学生であれば値段は1食当たり2.95ユーロ(390円ほど)であり、とてもリーズナブルだ。パンも取り放題となっており、お昼はお腹いっぱいご飯を食べた。メニューも日によってバリエーションがあり、大学のアプリでその日にどんなメニューがどこの食堂で食べれるのか、確認することができる。とにかく、安くて美味しい!(つづく)


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