本研究は、小学校入学時のクラス編成や特別な個別的支援の必要性に関するアセスメント法を検討するものである。特に、「書字」習得のレディネス要因と言われる「線引き」等の課題、特別な個別的支援に関連する「情緒・行動的特徴」について小学校入学前後に評価し、1学期終了時、3学期終了時の学習状況等と照合し分析を行う。その結果から、入学前の「線引き」等のパフォーマンスと入学後の「書字」習得の関係を明らかにするとともに、「情緒・行動的特徴」と特別な個別的支援の必要性の関係を明らかにする。それに加えて、「線引き」等の課題及び「情緒・行動的特徴」と「協調運動(上肢・全身)」の関係を明らかにし、特別な個別的支援での協調運動に関連する指導の可能性を検討するものである。
本研究は、小学校入学前後の早期段階で、特別な個別的支援の必要性の発見や偏りの少ないクラス編成に貢献することが期待される。また、小学校の特別支援教育における協調運動に関連する指導の可能性について示唆を与えるものである。