資料の機能を組み込んだ社会科教科書モデルの開発-小学校産業学習「水産業」の授業分析をとおして- 理事・副学長 米田 豊

研究計画・方法

(1)社会科教育における資料の位置付け

 社会科教育の研究者が論じている,資料の役割や活用方法について整理し,社会科教育における資料の位置付けを行う。そして,教科書に提示される資料が果たす機能について明らかにし,資料を分析するフレームワークを作成する。また,カリキュラム開発や教科書開発に向けて,どのような資料が有効的であるのか,検討する。

(2)教科書の記述内容の分析,検討

 1で作成したフレームワークを用いて,小学校第5学年における産業学習の教科書の分析,検討を行う。教科書として現在使用されている主な教科書(4社)を対象とする。

(3)先行授業実践の分析,検討

 先行授業実践の分析,検討を行うために,次のような調査研究を行う。

  (1) 社会科教育の学会誌,実践書,教科教育雑誌における先行授業実践の分析,検討を行う。
  (2) 全国の教育研究所,教育センターの紀要等から先行授業実践の分析,検討を行う。
  (3) 研究協力者がこれまでに行った授業実践を分析,検討する。

(4)カリキュラムモデル,授業モデル,教科書モデルの開発

 1~3のことを踏まえて,小学校第5学年「産業学習」,特に,水産業に焦点をあてて,カリキュラムモデルと授業モデルの開発を行う。

(5)開発したカリキュラムモデル,教科書モデルを活用した授業モデルの実践

 開発した教科書モデルを活用して,研究分担者による授業実践を行う。その際,可能な限り,実践者が所属する教育委員会や研究会と連携を図る。
なお,授業実践を行う研究分担者は,次のとおりである。

(1) 松浪 軌道
(2) 長川 智彦
(3) 植田 真夕子

(6)実践したカリキュラム,授業の分析,検討

 実践授業後に,校内における事後検討会と研究協力者を含めた事後検討会において,授業の分析,検討を行う。そこで出された改善点をもとに,カリキュラムモデル,授業モデル,教科書モデルの修正を行う。

(7)研究のまとめ

 社会系教科教育学会(於:岡山理科大学 2020年2月22日~23日)で発表を行うとともに,研究報告書を作成する。

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