幼小連携における適時型入学体験活動の試み 〜STEAM教育教材の活用を通して〜 教育実践高度化・教授 溝邊 和成

研究の概要

 本研究は、幼小連携において「個別最適化された学び」の実現に向かう適時型入学体験活動※にSTEAM教育関連教材(以降、STEAM教材)を取り入れ、幼児・児童の小学校への適応力の向上と創造性の育成について検討することを目的としている。具体的には、幼児教育先進国であるニュージーランドで一般的に実施されている5歳児の誕生日以降に小学校入学を認めるシステムを参考にして、兵庫教育大学附属幼稚園の5歳児を対象に小学校模擬体験を適時実施し、それによって得られる教育的効果(幼児・児童)を調査分析することである。その際、昨今注目されているSTEAM教材やそれらをもとにした自主開発教材等を活用することで、幼児期・児童期前期の子どもたちにどのような資質・能力の芽生えが見られるかについて検討し、幼小接続期教育のあり方を示す活動事例として集積する。研究年度末では、一連の活動に取り組んだ教師や活動に参加した保護者等への面接調査及び質問紙調査の結果も合わせた報告会を開き、本研究の幼児・児童への教育効果ならびに教師の研修成果を整理するとともに今後の方向性を見出していく。

※「適時型入学体験活動」は、本研究の説明のために用いた造語で、幼児の生育状況(誕生月による生育期間の違い等)を配慮して、個別(あるいはグループ別)に模擬的な入学体験ができる活動方法一般を示している。

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