乳幼児期の防災教育とESDに関する研究―環太平洋地域におけるSDGsを踏まえて 理事・副学長 名須川 知子

研究計画・方法

【2019年度】

( 1 ) 「乳幼児の防災教育」に関する国内会議の設置

 乳幼児期のESD(SDGsのNo.4)に基づく「げんきプレイ・ストーリー」とラーニング・ストーリーの援用した記録に関する継続した記録の開発、及び防災教育との関わりについての会議を設置し、研究内容について協議する。特に、0~5歳児の就学前教育について、防災とESDの関連について明確にし、記録による保育・教育の質保障としての方法を開発する。さらに、昨年までの合同防災訓練を見直し、ESDとの連携をさぐると共に「自然への理解から畏敬」を育む乳幼児期の教育内容について日常的な具体的活動による方針を策定する。(国内の委員で実施する)

( 2 )ニュージーランド、台湾での防災教育とSDGsの関わりの調査

 ニュージーランドでのラーニング・ストーリーにおけるESDのあり方について調査・分析する。また、台湾での防災教育指針におけるESDについて議論を深め、各国の乳幼児期のSDGsと防災教育との連携を整理する。(研究主担者、分担者がニュージーランド、台湾へ出向く)

( 3 )海外での共同研究の推進

 各国での課題を出し合い、環太平洋での共通する問題点を明確にし、①の会議に反映させながら、持続可能な社会にむけた乳幼児期の防災教育のモデル案を策定する。

( 4 )モデルの実践(試行)

 策定したモデルについて、附属幼稚園及び子育て支援ルームで実践(試行)し、課題を整理し次年度につなげる。

【2020年度(予定)・区分Aのみ対象】

( 1 )モデル改善について

 前年度の附属幼稚園でのESDと防災教育について、実施しているモデル試行を検討し課題を整理する。また、それに基づきモデルの内容を改善する。

( 2 )海外の調査研究

 策定したモデルについて、台湾、ニュージーランドから意見を収集する。可能であれば、モデル試行を依頼し、課題や具体的改善点を整理し、モデルの内容に反映する。

( 3 )国際シンポジウムの開催

 「SDGsと防災教育―環太平洋地域の就学前教育から」(仮題)のテーマで神戸に於いて、ニュージーランド、台湾等環太平洋地域の就学前教育の関係者による国際シンポジウムを開催し、議論を深め、成果発表を実施する。

( 4 )国際学術雑誌への投稿

 ニュージーランド、台湾との意見交換を実施し、防災教育のモデル開発の提示と、課題の共有と今後の展望について、年度内に海外の乳幼児関連の学術雑誌に投稿する。

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