令和7年度大学院学校教育研究科(昼間)学位記授与式式辞
国立大学法人 兵庫教育大学 大学院 学校教育研究科 修士課程 及び 専門職学位課程 昼間クラスの皆さま、本日は、ご修了、誠におめでとうございます。大学を代表致しまして、心よりお祝い申し上げます。
皆さまは、本日、修士(学校教育学)または、教職修士(専門職)という学位を取得されました。これは、皆さまが、教育に関わるそれぞれのご専門分野において、高度専門職たる能力と見識を持っていることを証明するものです。この学位を手にされた皆さまのこれまでのご努力に、心より敬意を表したいと思います。
高度専門職とは、その名の通り、高度な専門性を必要とする職業であり、例えば教員免許や公認心理士のような資格を必要とする場合がほとんどです。しかし、これらの資格は、その職につくための前提となるものであり、それだけでは高度専門職として生き抜くことはできません。高度専門職に求められることは、継続して「探究し続ける」こと、そして「創造し続ける」ことです。
そのためには、まず、常に新鮮な「問い」を持ち続けることが大切です。人は、経験を積み重ねると、過去の事例にとらわれて、目の前の事象に「問い」を持ちにくくなっていきます。そうしてマンネリに陥ってしまうと、成長の機会を失ってしまうことがあります。一見、当たり前にみえる目の前の事象に対しても、「なぜ」、「どうして」、「どうすれば」と問いを持ち、思考を巡らせることが大切です。
そして、「問い」に対して様々な情報や資料、あるいはデータを収集し、それを客観的な手法を用いて整理・分析し、論理的に知見を導出するというプロセスが、高度専門職としての「探究」です。
この時、探究の対象は大きく二つ考えらます。一つは、目の前の事象、例えば、自分が受け持つ児童生徒の実態、地域や学校の状況を把握するような、実践のフィールドに「寄り添う」探究です。もう一つは、社会の動向や変化、学術的な理論や知見、先導的な実践など、アカデミックに視野を「広げる」探究です。
このような「寄り添う」探究と「視野を広げる」探究の結果をつきあわて、その時、自分が立ち向かうべき現象とその本質を理解し、自己の実践を「創造的にデザイン」する、ということが大切です。
皆さまはまさに、このような「問い」を持つ力、「自ら探究する力」、そして、「新たな価値を創造する力」を、本学の大学院において、研究活動を通して、身に付けられたことと思います。
そのお力を、ぜひ、現在と未来の子供たちのため、学校教育のため、そして、地域や社会のために、発揮して頂くとともに、これからも、学び続け、研究し続けて頂きますことを、強く願っています。
本日、兵庫教育大学は皆さまの母校となりました。母校の存在は、単なる思い出の中だけに留まるものではありません。本学には、多彩な専門家の大学教員がたくさんいて、多数の研修プログラムを開講しています。また、同窓生の方々の研究支援も展開しています。より高度な研究にチャレンジしたいという場合には、連合学校教育学研究科 博士課程があります。もとより、皆さまがお世話になった指導教員の先生方との深いつながり、そして何より、ともに学んだ友人、仲間の存在は、生涯の宝ものです。
つまり、先ほど申しました高度専門職としてこれから皆さまが学び続ける上で、母校であるこの兵庫教育大学と、ここで培った様々な人とのつながりは、とても大きな財産であるということをぜひ覚えておいて頂きたいと思います。いえ、何も用事がなくても結構です。時には、ふらっと、大学に遊びに来てください。私たちはいつでも、皆さんをお待ちしています。
皆さまが、本学大学院での学びを糧に、高度専門職として益々ご活躍されることを、心より祈念しております。
本日は、本当におめでとうございました。これを私からの祝辞といたします。
令和8年3月24日 国立大学法人兵庫教育大学学長 森山 潤