令和8年度学校教育学部入学式式辞
桜の花が春の訪れを知らせる今日の良き日に、ご来賓のご臨席を賜り、国立大学法人 兵庫教育大学 学校教育学部 令和8年度入学式を挙行できますこと、我々、教職員一同、大きな喜びをかみしめております。
令和8年度入学生の皆さん、本日はご入学、誠におめでとうございます。大学を代表致しまして、心より皆さんを歓迎致します。
保護者の皆さま、並びに関係者の皆さま、本日は、お子様のご入学、誠におめでとうございます。教職員一同、全力でお子様の大学生活をサポートしてまいります。これから4年間のお付き合いとなりますが、どうぞご支援、ご協力のほど、宜しくお願い致します。
さて、新入生の皆さんは、将来、教師になることを目指して本学にご入学されたことと思います。私の願いは、ここにいる皆さん全員が、社会に求められる力量をもった素晴らしい教師となって、未来の子供たちを力強く支え、育んでいってくれることです。
このことに向け、まず、最初に、これからはじまる大学での学びについてお話したいと思います。高校までの学習と大学での学修との大きな違いは、その自律性にあります。高校まではいわば、先生によってガイドされた学びでした。しかし、皆さんが本学をご卒業されたあとのことを想像してみて下さい。社会人あるいは、教師となって仕事をするとき、皆さんは様々なことについてご自身で考え、判断し、ものごとを進めていかなければなりません。
社会は、予測困難といわれるほどに、目まぐるしく変化していきます。学校教育も同じで、皆さんが小・中学校、高校で経験してきた授業が、10年後も同じということは絶対にありえません。特に、これからの数年は、学習指導要領の改訂を含む大きな教育改革が進められる時期でもあります。つまり、こと皆さんの学年は、自らが受けてきた教育と、自分が教師になって実践する教育とが、大きく変わることになります。そして、このような変化は、皆さんが教師になった後も、社会が変化していく以上、生涯にわたって、継続的に生じ続けていきます。
すなわち、皆さんに求められるのは、このような変化に対応し続けていくために、教師として自律的に「学び続け」、自らをアップデートしていく力を持つことなのです。
このような「学び続ける教師の育成」を図るために、本学のカリキュラムには様々な工夫をこらしています。
第一に、本学は、文部科学省より「教員養成フラッグシップ大学」という特例校に指定され、先導的な教職科目の開発に取り組んでいます。
これは、現在進められている教育改革を先取りした取り組みであり、全国で4校が指定されています。本学はその1つとして、学習観の転換、インクルーシブ教育、教師の連携・協働、STEAM教育、ICT・情報・データの利活用などの多彩なテーマで、先導的な教職科目を開発し、カリキュラムに実装しています。また、これらの授業科目を含め、カリキュラム全体で、アクティブラーニングやプロジェクト基盤学習など、次期学習指導要領で求められる新しい学びの機会を数多く設定しています。
第二に、本学のカリキュラムは、皆さん一人一人のキャリアの実現に向けた「学びのセルフデザイン」を大切にしています。
多くの教員養成大学・学部では、入学あるいは、入試の段階で、学校種や教科をあらかじめ決めておかなければなりません。しかし、本学は、学校教育学部として一括してご入学頂いたのち、1年次の最後に教科・領域を、2年次の最後に学校種を決め、教員採用試験の準備へと入っていきます。また、3年次にはゼミを決めて、4年次での卒業研究に向けて専門性を深めていきます。本学ではこれを「Myキャリア・プランニング・システム」、通称、Myキャリと呼んでいます。
つまり、皆さんは、これからの4年間、教育改革の動向を踏まえた最新の教職課程での学びを進めながら、前半の2年間では、自己を見つめて、将来について考え、後半の2年間では、自らの強みを伸ばして、夢の実現にチャレンジしていくことができるのです。
このような本学のカリキュラムで学ぶ皆さんにぜひ、お願いしたいことは、常に自分に必要な「学び」について考え、見通し、実践し、振り返るという取り組みを主体的に進めて頂くことです。「時間」と「自由」を、「学び」という観点から適切にマネジメントしていってください。教師を目指す皆さんだからこそ、人の人生における「学び」の意義を深く捉え、実践できる人へと、ぜひ、成長して頂きたいと思います。
それでは、これからの4年間の本学での学びが、皆さんの素晴らしい人生の礎となることを祈念いたしまして、私からのお祝いの言葉にしたいと思います。
令和8年4月3日 国立大学法人兵庫教育大学学長 森山 潤