特別な支援を必要とする1年生児童に対する協調運動指導の効果についての検討-附属小学校での実践研究- 障害科学コース・教授 石倉 健二

研究計画・方法

Ⅰ.研究計画・方法

1.基礎調査(第1回調査は2025年1学期中、第2回調査は2025年12月、第3回調査は2026年2-3月)

1)対象は、1年生の全児童とその保護者

2)調査内容は、それぞれの項目について以下の標準化されたテストを用いる。
・感覚特性:SSP(感覚プロファイル短縮版) ← 全保護者に調査
・多動性・衝動性、対人関係、情緒:SDQ(子どもの強さと困難さアンケート) ← 全保護者に調査
・書字、読字:URAWSS-Ⅱ(読み書き理解)又はPWT描線テスト(前書字技能テスト) ← 全児童に実施

3)研究の役割分担は、南屋・中尾の校内調整に基づき、石倉研究室(石倉及び大学院生)で調査を行う。

2.運動指導(第1クール:2025年11-12月、第2クール:2026年1-2月)

1)対象は、以下の2つの条件(a.b.)に合致する1年生児童5名程度。
  a.個別の支援計画等が作成されている児童、又は担任や特別支援教育コーディネーターによって特別な支援が必要と判断された児童。
  b.運動指導プログラムへの参加希望のある児童。第1クールと第2クールは別々に募集する。

2)指導の内容と方法
・石倉研究室の大学院生(修士課程/博士課程)複数名で、協調運動についての指導を行う。
・指導の具体的な内容や方法は、専門家(中根)の助言を得て実施する。
・水曜日の6時間目に6回程度実施する。

3)研究の役割分担は、冨田・南屋・中尾の校内調整に基づき、石倉研究室(石倉及び大学院生)で実施する。

3.調査と指導と分析の関係

調査と指導と分析の関係の図

運動指導の前後に全児童(1年生)を対象に標準化されたテストを実施し、なおかつ希望者を対象に運動指導を実施することで、対象となる条件a.ではありながら指導の対象とはならなかった児童、又は対象となる条件a.以外で協調運動や書字・読字に特異性のある児童を対象群として、比較して分析することができる。

Ⅱ.生命倫理・安全対策等に関する留意事項

・特別な支援が必要と判断されても、運動指導の対象とならない児童がいることになるが、自由意思による参加希望に基づいて参加者が決定される。
・詳細は兵庫教育大学「人を対象とする研究に関する倫理審査委員会」に申請を行う中で検討する。

成果発表会

 2026年3月頃に、大学構内(神戸キャンパス含む)又は附属小学校で研究報告会を行う。コメンテーターとして、研究組織外の専門家を招聘する。学内外に広報し、参加者は広く募るものとする。

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