【平成23年度】
(1 )文献研究
「優れた教育実践者」に求められる職能と「優れた教員養成者」に求められる職能についての心理学と教育学を中心とした文献を展望し, 両者に共通する要素とそれぞれに独自の要素を同定するとともに,種々の課題を整理する。そして,それを(後述する) 質問紙の開発にいかす。
(2 )実証研究
本研究の課題は, IoEの課題でもあろう。本学の教職大学院とIoEのMTLは課題を共有しているといえ,両者の協働によって,研究が飛躍的に発展することが期待される。そこで,IoEを訪問し,MTLにかかわる教員へのインタビュー調査を行うとともに,本研究の問いを含む現職教員教育にかかわる論点について議論を行い、双方の制度に共通する課題と改善点を明らかにする。〈海外調査旅費〉
【平成24年度】
前年度に開発した「優れた教育実践者」としての専門性と「優れた教員養成者」としての専門性を測定する質問紙を,本学教職大学院の修了生(現職教員のみ) を対象に実施し,職場復帰後のミドルリーダーあるいは学校経営リーダーとしての役割についての現状を明らかにする。
前年度につづき,IoEを訪問し,上記1 のアンケート調査の結果について報告を行うとともに,MTLと教職大学院制度の共通点と相違点を整理したうえで,双方の改善のための具体的方策を議論する。
それまでに実施された国内調査および海外調査の結果をふまえ,「優れた教育実践者」の養成だけでなく「優れた教員養成者」の養成にも寄与する,本学教職大学院の授業内容と方法さらにはカリキュラム全体に関する提言をまとめる。