被災地宮城県の子どもの実行機能及び自己制御能力の向上に関する研究 学校心理・発達健康教育コース・教授 松村 京子

研究の概要

 東日本大震災により宮城県は甚大な被害を受け,津波で家族を亡くしたり家屋が流されたりした子どもが少なくない。また,家庭環境や生活環境の問題も複雑化してきており,生活ストレスによる心の問題の増加もあげられ,実際に,不登校の増加に加えて,学業面,興奮,混乱などの情動面,落ち着きのなさなどの行動面の問題が報告されている(宮城県教育委員会,2013)。これらの問題は,子どもの実行機能,自己制御力の問題と捉えることができる。そのような中で,宮城県は子どもたちの「心のケア」を担うため,平成24年度から養護教諭を本学大学院に毎年3人,5年間派遣し,県の中核となる人材養成を行っている。そこで,筆者と宮城県からの現職派遣教員を中心としたプロジェクトを組み,宮城県の子どもの情動面,行動面,学業面の問題の解決と予防を目指す。

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