ティンカリングを起点とした保育実践の試み―イテレーションを通じて育まれる学びの芽生え― 幼年教育・発達支援コース・准教授 水落 洋志

研究の概要

 現代社会はVUCAと呼ばれる不確実性の高い状況へと移行しており、子どもには既存の知識を再現するだけでなく、自ら問いを立て、学びを再構成する探究的な姿勢が求められている。この文脈でSTEAM教育が注目される一方、日本では初等教育以降に焦点が置かれ、幼児教育における理論的基盤は十分に整理されていない。しかし幼児教育には、子どもの試行錯誤や探究の芽生えを丁寧に支える実践が存在する。本研究では、自己の身体を介して環境へ働きかける行為であるティンカリングと、その過程を反復的に深化させるイテレーションの概念に注目する。特にラピッド・プロトタイピングのイテレーション・モデルは、幼児教育と初等教育の接続を検討する上で有効であり、子どもの探究と保育者の支援の相互作用を整理する枠組みとなり得る。以上のことから保育実践記録をイテレーションの視座から分析することで、ティンカリングに潜む探究の生成過程を捉え、幼児教育におけるSTEAMの基盤を理論的・実践的に深めることを目的とする。

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