中学生の「乳幼児とのふれあい体験」における家族機能の理解と育児力養成に関する研究 生活・情報・健康系教育コース 助教 永田 夏来

研究の概要

 「家庭生活領域」が新たに設置された1989年改訂学習指導要領以降、家庭科教育において「家族」は内容の中心に位置付いたと同時に、「家族」を教えることへの困難性、とりわけ異なる家庭背景を持つ児童への配慮の難しさはこれまでいくつかの先行研究により指摘されてきた。

 こうした困難を乗り越えるべき近年注目されているのが保育施設などの訪問を中心とした「乳幼児とのふれあい体験」である。核家族化などの影響で子育てに対する知識・経験不足が指摘されている今般の社会情勢を踏まえると、社会との接点に関心を持ち始める中学校の段階で育児に適応する力(育児力)を育成することは意義が深いものと考えられる。そこで本研究では「乳幼児とのふれあい体験」を兵庫教育大学附属中学校で実施し、その効果の測定を行う。また、保護者や乳幼児が安心して「乳幼児とのふれあい体験」に協力できる施設連携や環境整備についても検討し、施設間の連携や地域のふれあいを深める契機についての考察も行う。

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