
近年、首長が自治体外部から教育長を選任・登用する事例が増加している。このような外部人材登用では成否の事例が混在する一方、そこに関わる要因の検討は不十分なままである。本研究の目的は、小規模自治体を対象に「外から来た教育長(本研究では『外来型教育長』と呼ぶ)」のリーダーシッププロセスおよびそこに関わる要因を、量的および質的分析を用いて行動科学的視点から明らかにすることである。そのため本研究では、複数の研究対象自治体に対して統一した分析モデルを用いた検討を行う。分析モデルは、教育長の教育課題の改善に向けた行動を4側面のプロセスから捉え、社会心理学、教育行政学、教育学における理論と研究手法を応用して、外来型教育長が有効に機能するための要因を明らかにしつつ各側面の相互影響を検討する。複数の自治体に対し統一した分析モデルを用いることで、外来型教育長の成否に関する一般化できる要因や条件を明らかにすると同時に、自治体独自の特徴も整理・分析できる。本研究は、教育長の職能および専門性に関して複数の学問分野からアプローチする学際的研究と位置づけられ、本教職大学院ならではの独自性をアカデミックに示すものとなろう。同時に、今後増加する外来型教育長のマッチング実践において有効な知見を提供するものとなろう。