故・中間玲子 教授のページ

 中間玲子先生が,2024年8月13日,ご病気のため逝去されました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 中間先生は,大学の教育・研究,管理運営,また社会貢献の各分野において,多大なるご功績を残されました。
 このたび,哀悼の意を込めて,中間先生のページを作りました。
 資料につきましては現在収集中です。集まり次第,随時更新していきたいと考えておりますのでご了承ください。

 中間先生は,昭和47年5月鹿児島県鹿児島市に生まれ,平成7年3月大阪大学人間科学部を卒業,平成9年京都大学大学院教育学研究科教育学専攻修士課程を修了,平成12年半年間のナイメーヘン大学(オランダ)臨床人格心理学講座研究員を経て,平成13年9月京都大学大学院教育学研究科博士後期課程教育方法学専攻を修了されました(学位:博士(教育学))。
 平成13年4 月奈良女子大学文学部助手として採用された後,平成17年10月福島大学人間発達文化学類助教授,平成19年同准教授を経て,平成21年4月より兵庫教育大学大学院学校教育研究科准教授に転任され,平成28年4月に同教授に昇任されました。

個人ホームページ(準備中)

中間先生の功績

研究面

 大きく2 つの業績に類別してみることができます。第一は,自己形成論に関する研究です。
心理学研究の手法を用いて,自己変容を積極的に志向する態度である「変容志向」や,理想自己の実現を自ら求める意識である「理想自己への志向性」など青年期にみられる自己形成プロセスの実証およびモデルの構築を行ってこられました。
 第二は,「自尊感情」概念に関する研究です。一連の研究は,「自尊感情を高めよう」というスローガンを批判的に再検討するとともに,「恩恵享受的自己感」という新たな概念提起も行った心理学研究として高く評価されています。『自尊感情の心理学』(編著,金子書房,2016)など多数の著作も発表されました。

教育面

 授業でもゼミでも,いつも朗らかで時に厳しく,熱心に真摯な姿勢で教育に努めてこられました。教育コミュニケーションコースの教員として37 本あまりの修士論文の指導に情熱を注がれ,連合学校教育学研究科においては2 本の博士論文を指導されました。担当のコース専門科目「かかわりの発達心理学」はベストクラスにも選出。学校教育学部においても,クラス担任やゼミでの温かいご指導を継続して行ってこられ,学生からの信頼も厚く非常に慕われておられました。

大学運営

 教授職にある間,兵庫教育大学大学院学校教育研究科教育コミュニケーションコース長(平成29年4月~令和3年3月),大学院連合学校教育学副研究科長(令和2年4月~令和6年3月)を歴任されました。また,教育研究評議委員としても学内諸機関の管理・運営に大きく貢献されました。そして、保健管理センターでは心理カウンセラーも務められました。

社会的活動

 青少年の教育に関する専門的知見を活かし,兵庫県教育委員会スクールカウンセラー(平成22年3月~平成24年3月),三田市教育振興基本計画検討委員会副委員長(平成27年12月~平成29年3 月,令和2年12月~令和4年3月)などを務められました。また,幅広い心理学的知見をもとに,京都大学大学院学校教育研究科心理学実験研究倫理審査委員会外部委員(令和3年4月~令和4年3月)などとしても活動されました。