1. 院生リレーコラム
#020. 院生としての日々 (2024年入学・秦 釧洮)
教育コミュニケーションコースのM2として過ごす日々は、研究と仲間との交流が自然に結びつく、学びの深い時間となっている。とくに吉國ゼミでの時間は、私にとって大学院生活の中心であり、毎回の議論を通して新しい発見や気づきが得られる貴重な場である。ゼミでは、一人ひとりの研究テーマが異なるため、発表を通して多様な視点に触れることができ、自分の研究にも新しい刺激を受けている。授業やゼミの中では、教育現場におけるさまざまな課題について多角的に考える機会が多く、先生方の丁寧な指導を通して、理論と実践のつながりを実感している。私の研究テーマは「保育者アイデンティティの変容」であり、中国と日本の保育者を対象に行ったインタビュー調査をもとに、文化や制度の違いがどのように保育者の職業意識や成長に影響を与えているのかを分析している。ゼミでは、調査で得た保育者の語りをどのように理論的に整理し、考察へつなげるかをめぐって、先生や仲間と意見を交わしている。その対話の中から、自分一人では気づけなかった視点が生まれる瞬間があり、研究の面白さと奥深さを改めて感じている。
教育コミュニケーションコースには、現場で教育に携わってきた先生方や、社会経験を積んだ学生が多く在籍しており、それぞれの実践や経験に基づいた意見に触れることで、学びが一層深まっていく。異なる教育現場での実例を聞くことができるのは、このコースならではの魅力だと感じている。
ゼミの雰囲気はとても温かく、発表の合間にはお互いの近況を話したり、研究の悩みを共有したりすることもある。時には文化の違いから小さな笑いが生まれることもあり、そうしたやりとりが私にとって大きな励ましとなっている。
留学生として日本の大学院で学ぶ中で、最初は言語や文化の違いに戸惑うこともあった。しかし、先生方やゼミの仲間の支えのおかげで、徐々に自信を持って自分の意見を伝えられるようになった。ゼミの議論やグループ活動を通して、相手の考えを尊重しながら自分の考えを明確に表現する力がついたと感じている。兵庫教育大学の温かい雰囲気と、一人ひとりの学びを丁寧に支えてくれる環境は、留学生にとって大きな安心感につながっている。
大学院での生活は決して楽ではないが、研究に真摯に向き合える環境と、支え合える仲間の存在が、日々のモチベーションになっている。残りの学生生活も、一日一日を大切にしながら、自分らしい学びを深め、これまでの経験を今後の教育実践へとつなげていきたい。
| 2025.10.29 | #020. 院生としての日々 (2024年入学・秦 釧洮) |
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| 2025.03.03 | #012. 先輩方の成果発表会を見て感じたこと (2024年入学・中村 早希) |
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| 2024.10.18 | #009. 院生の夏休み (2023年入学・岡田 翔太) |
| 2024.07.17 | #008. 留学⽣の国際交流 (2023年入学・張 靖舷) |
| 2024.06.28 | #007. 兵庫教育大学における昼食問題 (2023年入学・赤﨑 洋之) |
| 2024.05.22 | #006. 最近のわたし (2023年入学・近田 知富美) |
| 2024.05.16 | #005. 「教育コミュニケーション実践論」をふり返って (2023年入学・松崎 康祐) |
| 2024.05.09 | #004. 大学院わず。教師なう。 (2022年入学・切通 明樹) |
| 2024.04.01 | #003. 「当たり前」の境界あたりで (2022年入学・中山 義之) |
| 2024.03.27 | #002. 教コミ的“共生” (2022年入学・衛藤 裕) |
| 2024.02.22 | #001. キーワード検索第1位は… (2022年入学・綿貫 克洋) |
3. 時間割の組み方の例
「私は、「教育とは何か」「教員と子どもの関係」などをキーワードに時間割を組みました。「教育の歴史と教育理論の展開」では、近代化としての学校教育を捉え直し、学校制度や学校文化を考え、現代の学校教育において何が問題なのかと問い直すことができました。また、「子どもの発達と学校の関わり」や「かかわりの発達心理学」では、子どもの成長や学びを発達の側面から捉えることができました。現在、日本では学校改革の必要性が叫ばれていますが、学校教育で今まで当たり前として捉えていたことを、講義の中で先生や他の院生と共に対話を通して考え、さまざまな側面から学校教育を見ることで、何が問題なのかをもう一度問い直す機会となるのが、大学院での学びだと思います。」(『2025大学院案内』より転載)