1. 院生リレーコラム
#023. 「学校における防災教育と心のケア」人と防災未来センター施設見学 (2025年入学・梅原 有代)
12月7日(日)に“学校における防災教育と心のケア”の授業で、人と防災未来センターに行ってきました。阪神淡路大震災の震源地は、私の生まれ育った明石のすぐ目の前の海中です。私は、最初は地震と分かったのに、あまりの激震に、数秒後には理解の範疇を超え、これは超常現象(ポルターガイスト)ではないかとすら考えたほどでした。
想像を絶する地震に見舞われ、その後外に出てから見た太陽の、ドス黒い色をはっきりと覚えています。神戸の街の焼ける様子が太陽に反射したのでしょうか。科学的にはあり得ないのかもしれませんが、初めて太陽を恐ろしいと思いました。
人と防災未来センターでは、明石の目の前の海の中が震源地なのに、どうして神戸、芦屋、西宮など東の方の被害が大きかったのかと、断層について学ぶコーナーで係の方に質問をしました。すると、断層のずれによって起こった直下型地震であることと、六甲の硬い岩盤に地震波が反射・干渉し、エネルギーが増幅したためだと教えていただきました。故郷を守ってくれたと思っていた六甲の硬い岩盤が、地震波を増幅させる『逆の働き』をしていたと知り、衝撃を受けました。
“学校における防災教育と心のケア”の学習の中では、大人が持っている正常性バイアスという心理が、「自分だけは大丈夫」と思ってしまうのだと習いました。確かに、私は当時、“死ぬ”ということは全く考えていませんでした。大丈夫とも思っていませんでしたが、死ぬとも思わず、コタツの中に“狭い”と思いながら入り込みました。今回、災害時にどのようなことが起こるのか、現象面、心理面様々な角度から考えることができました。
大学院では、今までなかなか考えることもしなかった課題に取り組む機会を与えてもらえることは、非常に貴重なことだと思っています。震災についても、学校防災という観点で考えるだけでなく、地域防災、災害時の心のケア、災害体験の継承についてなど、学校防災だけではない俯瞰的な視野を持ち、防災教育について考えるということの大切さを改めて学びしました。この学びを、未来の学校防災、そして地域防災の現場で活かしていくことが出来ればと思います。
明石海峡大橋の夕景
3. 時間割の組み方の例
「私は、「教育とは何か」「教員と子どもの関係」などをキーワードに時間割を組みました。「教育の歴史と教育理論の展開」では、近代化としての学校教育を捉え直し、学校制度や学校文化を考え、現代の学校教育において何が問題なのかと問い直すことができました。また、「子どもの発達と学校の関わり」や「かかわりの発達心理学」では、子どもの成長や学びを発達の側面から捉えることができました。現在、日本では学校改革の必要性が叫ばれていますが、学校教育で今まで当たり前として捉えていたことを、講義の中で先生や他の院生と共に対話を通して考え、さまざまな側面から学校教育を見ることで、何が問題なのかをもう一度問い直す機会となるのが、大学院での学びだと思います。」(『2025大学院案内』より転載)