1. 院生リレーコラム

#017. 自然が育む静かな対話  (2024年入学・小林 恵美)

私は現在、兵庫教育大学大学院の修士課程で学んでいる2年生です。教育に関する実践的な研究に取り組みながら、子どもの学びや育ちについて多面的に考える日々を送っています。現場と理論を行き来しながら思考を深める中で、自分自身と向き合う時間の大切さも日々実感しています。

6月も終わりに近づき、季節はいよいよ夏の入り口へと差しかかっています。雨の合間にのぞく日差しに、濡れた葉がきらりと光り、緑の色が日に日に濃くなっていくのがわかります。鳥のさえずりや、木々を揺らす風の音、葉を打つ小さな雨粒の音——そんな静かな響きが耳に心地よく、梅雨の終わりならではの落ち着いた時間が流れています。こうした自然のささやきが、季節の移ろいを優しく教えてくれます。

兵庫教育大学の加東キャンパスは、都市の喧騒から少し離れた自然豊かな場所にあり、私にとってとても大切な学びの空間です。足を踏み入れた瞬間、空気の質が変わり、静けさの中にゆったりとした時間が流れているのを感じます。春には桜が舞い、初夏にはツツジが色づき、夏には濃い緑と蝉しぐれ。秋には紅葉が鮮やかに彩りを添え、四季折々の表情を見せてくれます。

こうした自然の中を歩いていると、思考のスイッチが自然と切り替わり、研究に向かうエネルギーが整っていくのを感じます。自分と静かに向き合うことが求められる大学院での学びにおいて、この「自然との対話の場」があることは、大きな支えになっています。


2025.06.25 #017. 自然が育む静かな対話 (2024年入学・小林 恵美)
2025.05.30 #016. 00后勇闯兵教大学院一年 (2024年入学・時 尚)
2025.04.25 #015. 履き替えるか、履き替えないか問題 (2024年入学・中西 覚)
2025.04.11 #014. 現職教員×大学院生活=SCHOOLデトックス (2024年入学・松澤 千尋)
2025.03.08 #013. 留学生の兵教生活 (2024年入学・盧 雨佳)
2025.03.03 #012. 先輩方の成果発表会を見て感じたこと (2024年入学・中村 早希)
2025.02.19 #011. M2 1月の様子 (2023年入学・遠藤 直也)
2025.01.31 #010. 中間玲子先生の薫陶に寄せて (2018年入学・橋本 和也)
2024.10.18 #009. 院生の夏休み (2023年入学・岡田 翔太)
2024.07.17 #008. 留学⽣の国際交流 (2023年入学・張 靖舷)
2024.06.28 #007. 兵庫教育大学における昼食問題 (2023年入学・赤﨑 洋之)
2024.05.22 #006. 最近のわたし (2023年入学・近田 知富美)
2024.05.16 #005. 「教育コミュニケーション実践論」をふり返って (2023年入学・松崎 康祐)
2024.05.09 #004. 大学院わず。教師なう。 (2022年入学・切通 明樹)
2024.04.01 #003. 「当たり前」の境界あたりで (2022年入学・中山 義之)
2024.03.27 #002. 教コミ的“共生” (2022年入学・衛藤 裕)
2024.02.22 #001. キーワード検索第1位は… (2022年入学・綿貫 克洋)

3. 時間割の組み方の例

「私は、「教育とは何か」「教員と子どもの関係」などをキーワードに時間割を組みました。「教育の歴史と教育理論の展開」では、近代化としての学校教育を捉え直し、学校制度や学校文化を考え、現代の学校教育において何が問題なのかと問い直すことができました。また、「子どもの発達と学校の関わり」や「かかわりの発達心理学」では、子どもの成長や学びを発達の側面から捉えることができました。現在、日本では学校改革の必要性が叫ばれていますが、学校教育で今まで当たり前として捉えていたことを、講義の中で先生や他の院生と共に対話を通して考え、さまざまな側面から学校教育を見ることで、何が問題なのかをもう一度問い直す機会となるのが、大学院での学びだと思います。」(『2025大学院案内』より転載)

4. アーカイブ