2024年03月27日(水) 院生リレーコラム

#002. 教コミ的“共生” (2022年入学・衛藤 裕)

教育コミュニケーションコースでの院生生活を一言で表すならば、「多様な仲間との“共生”」である。そこでは自分の経験、専門性を一旦脇に置いて、皆が「教育」についてフラットな関係性から対話をする。そこで、自分の「当たり前」が他者にとって「当たり前」ではないことを、身をもって体験することになる。それはとても痛快であり、時にコンフリクトを伴うものにもなる…。

こういうと、少し怖さを感じるかもしれない。でも、心配は無用。教コミは院生だけでなく、指導してくださる先生方もオープンマインドで温かく、研究の良き伴走者となってくれる。そんな私は、人間相手の教育を無意識で考えていたことを問い直し、共同研究として人間と動物の「教育コミュニケーション」を探究することになった。そこではなんと、遠く和歌山でのフィールドワークにまで、先生方が同行してくださったのだ。恐るべきフットワーク…!

その時の私の目に強烈に焼き付いたのは、イルカを目の当たりにした先生方の「(失礼かもしれないが)子どものように目を輝かせる」姿を、間近に見た瞬間である。教コミでの院生生活を通して、先生が私たち院生と「共に生きる」ことを体現されたと言っても、過言ではないだろう。

ある時、ゼミを担当していただいている先生から「先日、楽しそうにキャンパスを歩いておられる姿を見かけましたよ。」と声をかけられた。日常に宿る「教コミ的“共生”」を忘れず、学校現場で子どもたちと「共に生きる」ことが教師でありたい、今は心からそう思う。