2025年06月25日(水) 院生リレーコラム

#017. 自然が育む静かな対話 (2024年入学・小林 恵美)

私は現在、兵庫教育大学大学院の修士課程で学んでいる2年生です。教育に関する実践的な研究に取り組みながら、子どもの学びや育ちについて多面的に考える日々を送っています。現場と理論を行き来しながら思考を深める中で、自分自身と向き合う時間の大切さも日々実感しています。

6月も終わりに近づき、季節はいよいよ夏の入り口へと差しかかっています。雨の合間にのぞく日差しに、濡れた葉がきらりと光り、緑の色が日に日に濃くなっていくのがわかります。鳥のさえずりや、木々を揺らす風の音、葉を打つ小さな雨粒の音——そんな静かな響きが耳に心地よく、梅雨の終わりならではの落ち着いた時間が流れています。こうした自然のささやきが、季節の移ろいを優しく教えてくれます。

兵庫教育大学の加東キャンパスは、都市の喧騒から少し離れた自然豊かな場所にあり、私にとってとても大切な学びの空間です。足を踏み入れた瞬間、空気の質が変わり、静けさの中にゆったりとした時間が流れているのを感じます。春には桜が舞い、初夏にはツツジが色づき、夏には濃い緑と蝉しぐれ。秋には紅葉が鮮やかに彩りを添え、四季折々の表情を見せてくれます。

こうした自然の中を歩いていると、思考のスイッチが自然と切り替わり、研究に向かうエネルギーが整っていくのを感じます。自分と静かに向き合うことが求められる大学院での学びにおいて、この「自然との対話の場」があることは、大きな支えになっています。