2025年12月2日(火) 院生リレーコラム
#022. 中間発表会を終えて… (2025年入学・池田 輝寿)
大学院へ進学してから、気がつけば八か月が過ぎようとしています。私たちのコースに集った院生は、それぞれが教育に関する異なる疑問や問題意識を抱え、その探究心を携えて入学してきました。四月には、各自が抱く「教育をめぐる問い」を持ち寄り、互いの思いを交わすなかで、研究テーマの輪郭が少しずつ形づくられていきました。
この八か月の間、教育哲学、歴史学、心理学、社会学など、多様な学問領域の授業に触れながら、多角的な視点が少しずつ自分のものになっていく感覚がありました。新たな視座を得るたびに研究の深まりを感じる一方で、進めるほどに“見えていなかった課題”が顔を覗かせる瞬間もありました。ゼミの先生からいただく助言は、そんな行き詰まりを解きほぐす糸口となり、研究が次の段階へと進んでいく手応えを与えてくれました。
そして迎えた中間発表会。院生一人ひとりの発表は、哲学、歴史学、心理学、社会学──それぞれの専門的視点から教育を捉えようとする試みであり、自分とは異なる問題設定や分析方法の数々に、何度も思考が揺さぶられました。一見すると異なるテーマであっても、どこかで響き合う共通点や、研究の構え方として学ぶべき点が随所にあり、学問的刺激に満ちた時間となりました。
発表を終えたとき、ほっとした安堵と小さな達成感を噛みしめながらも、すでに次の探究へ向かう思考が動き始めている自分に気づきました。それだけ濃密で、前に進む力を与えてくれた会でもありました。
私たちの研究はまだ道半ばです。これからも院生同士の対話や先生方のご指導を得ながら、それぞれの問いをより深く掘り下げ、確かな研究へと育てていきたいと思います。