故・安部崇慶 教授のページ

 本コースに在籍されていた安部崇慶先生が、 2012 年9 月9 日、ご病気のため急逝されました。 ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 さて、安部先生は、大学の教育・研究、管理運営、 また社会貢献の各分野において、顕著なご功績を残されました。
 また、ゼミ生が安部先生を慕う思いも強く、 ゼミ生の手で「安部先生語録」なるものが作られました。
 このたび、哀悼の意を込めて、安部先生のページを作りました。

 安部先生は,昭和25年1月和歌山県田辺市に生まれ,昭和49年3月広島大学教育学部を卒業し,昭和52年3月広島大学大学院教育学研究科教育学専攻博士課程前期を修了,昭和55年3月広島大学大学院教育学研究科教育学専攻博士課程後期を終えられました(学位:教育学修士)。
 昭和55年4月広島大学教育学部助手として採用された後,昭和56年4月に兵庫教育大学助手に転任されました。
 その後,昭和62年4月兵庫教育大学助教授となり,平成2年~3年スタンフォード大学フーバー研究所客員研究員を経て,平成9年1月同大学教授に昇任されました。

安部先生の功績

研究面

 若き日より一貫して,茶道・俳諧などの芸道に見られる日本の伝統的教育について研究を進めてこられました。これまでの教育学研究において等閑視されてきた伝統的教育について,教育思想,教育方法,教育内容,教育形態などを総合的に考察した主著『芸道の教育』(ナカニシヤ出版,1997)は,研究の独創性という点で学術的に高く評価されています。また,そうした伝統的教育の視点からひるがえって,明治期以降の近代学校制度や教員養成制度の意義と課題についても,数多くの鋭い論考を発表してこられました。

教育面

 授業においてもゼミにおいても,労を厭わず真摯な態度で学生の指導をされてきました。
とりわけ大学院のゼミでは,芸道の世界に見られる師匠と弟子の関係さながらに,厳しくも温かい論文指導をされました。学部と大学院を合わせて100名を超える学生が安部ゼミで薫陶を受け,現在,教育界をはじめ社会の様々な領域で活躍しています。

安部崇慶教授 語録
大学運営

 教授職にある間,安部先生は学校教育学部第 1部主事(平成16年4月~同17年3月),大学院学校教育研究科第1部主事(平成17年4月~同18年3月),大学院学校教育研究科基礎教育学系長(平成18年4月~同20年3月),大学院連合学校教育学研究科長(平成20年4月~同22年3月)を歴任されました。

社会的活動

 伝統的教育の専門的知見を活かし,西脇市教育委員会「観月薪能にしわき」演目解説委員(平成12年度~同14年度),京都・裏千家総本部主催講演会講師(平成18年度),文化庁助成事業「南あわじ市地域人材の活用による文化活動支援 事業」あわじ人形浄瑠璃講座講演会講師(平成20年度)などを務められました。また,幅広い教育学的知見をもとに,和歌山県田辺市教育委員会研究指定校指導講師(平成9年度~同14年度)や国立大学法人奈良教育大学外部評価委員(平成18年度)などとして活動されました。