教員紹介

教授
吉國 秀人Hideto YOSHIKUNI

研究テーマ
教授学習過程に関する心理学的研究

主な担当科目
教えと学びの心理学

主な研究業績

  • 第3節 資質能力向上にむけた学びと研究方法 名須川知子・渡邊隆信編 兵庫教育大学教員養成カリキュラム改革委員会著『教員養成と研修の高度化』ジアース教育新社,224-232&280-281.2014(共著者・別惣淳二).
  • 不登校状態を呈した自閉スペクトラム症のある中学生に対する継続的支援の実践—学校内外の居場所での支援を通じて『LD研究』32(1): 34-44, 2023(共著者・井澤信三,中村 賢太).
  • 『第二言語のルール学習に及ぼす母語の影響』文理閣,2010 .
  • 「参勤交代」に関する授業場面で見られた児童の不十分な認識について『教授学習心理学研究』13(2):103-119,2017(共著者・山内敏男,前田浩伸).
  • 低学年児童を対象とした単元間を関連づける指導法の効果に関する研究『教授学習心理学研究』12(2):63-80,2016(共著者・黒岩督,小倉誠).
  • 特別な支援を必要とする児童への「大きい位から足す筆算指導」の実践『教授学習心理学研究』8(2):88-100,2012(共著者・赤沢潔).

社会的活動など

  • 日本教授学習心理学会,日本教育心理学会,日本LD学会に所属しています。

おすすめの一冊

  • 細谷純 (2001). 教科学習の心理学 東北大学出版会

これまでに指導した修士論文題目

過去のゼミ生の修論題目(2024年4月現在)
割合文章題解決過程における認識の研究
―児童・専門学校生を対象にした調査を中心に―
特別支援学級における数概念形成を目指した教授法の研究
―語り合いが児童の納得を生み出す過程に着目して―
専門学校生の「速さ」概念の変容に関する研究
―ダイヤグラムを活用した授業実践を通して―
図形の面積学習における平行線に注目した「高さ」の教授の影響
―小学6年生の「高さ」の認識を手がかりにした検討―
複数の象徴事例が歴史的事象の構造的理解に及ぼす効果
先行概念と科学的概念の相互交渉を活性化させる教授学習法が概念構築に及ぼす効果
―中学校理科における金属概念の構築に着目して―
参加型学習を取り入れた学習プログラムが地球市民意識に及ぼす効果
―小学校6年社会科「世界のなかの日本とわたしたち」の実践を通して―
描写のイメージ化と解釈の検証が物語文の読みに及ぼす影響
―『ごんぎつね』の読み取り場面に着目して―
日英の人称概念を比較する教示が3単現の理解に及ぼす影響
―中学校英語科の授業実践を通して―
「疑似例外」を用いた探求活動が光合成に関する誤概念の修正に及ぼす効果
―中学校理科の授業実践を通して―
モデルを活用した予測活動が月と地球と太陽の3者関係の理解に及ぼす影響
―小学校理科の授業実践を通して―
身体接触を段階的に取り入れた体ほぐし運動が心と体と人間関係の意識に及ぼす影響
―小学校体育科の授業実践を通して―
乳幼児と母親とのふれあい体験プログラム学習が「養護性」の変容に及ぼす影響
―高校家庭科の授業を通して―
「教えあい」を促す数学の授業開発
―数学に関するゲームを取り入れた授業実践を通して―
アクティブ・ラーニングを取り入れた「教職実践演習」の授業開発
―須長(2010)の6観点を手がかりにして―
分かりやすくて楽しい漢文学習を援助する方略の探究
―視聴覚教材を用いた中学校国語科の授業実践を通して―
操作性の高い教具を用いた支援が割合の認識変容に及ぼす影響
―高学年算数科での実践を手がかりに―
「深い学び」を実現するための「説明活動」の探究
―小学校理科「人の誕生」の授業実践を手がかりに―
「競争と価格のルール」の教示と契約概念の説明がルールの適用範囲の認識拡大に及ぼす影響
学習者の操作活動を促す援助法が内的関連づけに及ぼす影響
―中学校数学「座標平面」の授業実践を通じて―
視聴覚教材を取り入れた学習活動が精神障害者のイメージと理解に及ぼす影響
―「精神看護学概論」の授業実践を通して―
リフレクションを促す教育実践が言語聴覚士の後進指導に及ぼす影響
―指導経験者を対象としたワークショップを手がかりにして―
看護教育における社会保障制度の知識と実習を関連づける授業の研究
―地域・在学看護論の授業実践を通して―
「謎解き読み」を基盤とした授業プログラムが読みの更新に及ぼす影響
―中学国語科文学教材「盆土産」の実践を通して―

ゼミの時間にはこんなことをしています

 ゼミ1年目の前半は,教授学習場面におけるコミュニケーションの成立に関わる諸問題や心理学的アプローチを用いた研究手法について概観します。新聞・雑誌記事の収集や文献講読を通じて,参加者が相互に意見を出し合い,ゼミを進めています。
 1年目の後半以降は,教授学習心理学領域に関わって各自が探求してみたい課題を,ゼミ生自身で設定していただきます。次に,先行研究を基盤としながら,具体的な調査や実験または観察を計画し実施するプロセスがあります。このようなステップを経て,各自が入手したデータを分析・考察し,その成果を修士論文にまとめていただきます。
 1年間のゼミを通して,互いが有している“違和感”を大事にしながら,発表や議論をしています。

こんな人にぴったりのゼミです

(1)他者に表現してみることを通して,発表者が自分のものの見方や考え方をチェックする機会を大事にします。
(2)手足を動かしながら,自然や社会に働きかけて学ぶ機会を大事にします。
(3)「自らの予想があたる喜び」や「予想が外れる驚き」を味わう機会を大事にします。
 今年度も,どんなゼミになっていくのか,皆と一緒にゼミを創造していく過程が楽しみです。科学としての心理学の立場から,実験的構想を駆使しつつ,教え・学ぶ過程における諸問題に向き合う楽しさを伝えたいと,思っています。