社会系教科マネジメントコース

授業紹介

社会系教科の授業デザインの理論と方法(2)

 日本と外国の歴史研究の成果をふまえた授業デザインと学習指導をおこなう力量を向上させることが、この授業の目標です。授業の前半では、日本史と外国史の教員が、それぞれ近年の研究成果を紹介しながら、授業デザインに資するような教科内容について講義します。最近とりあげたトピックスは、御成敗式目、太閤検地、ボストン茶会事件、近代イギリスのジェントルマンなどです。授業の後半では、講義内容をふまえて、受講生がそれぞれ授業をデザインして、その成果を発表します。教育方法的な観点から、お互いのプランを批評しあい、それぞれの授業構想の改善を共同作業として行います。このようにして、教育実践の場で生かせる授業構想力を高めていきます。

現代社会の課題とその教材化

 新学習指導要領は情報化やグローバル化といった社会の構造変化への対応をうたっています。これらの社会変容は、これまでの学校教育が想定してきた社会観や人間像に変容をせまっています。これからの社会系教科はこのような状況を踏まえた上で構想していく必要があります。この講義では、新たに生じてきた現代的な課題を題材として授業を構成していくことのできる実践力を身につけることを目指しています。

社会系教科教育実践研究

 専門職大学院では社会系教科の内容に対する深い知識と同時に教科教育の方法論を学び、実践的な授業を展開できる能力の育成を目指しています。
 そのために、1年次では学校現場での学校教育基盤実習(4週間)が実施されます。この授業では、実習に向けて、その準備から実際の実習、実習終了後の振り返りを通じて、全員でその成果と課題を話し合うことによって、実習経験の深化を図っています。
 さらに2年次ではより発展的な教科指導力向上実習(6週間)が実施され、現場の学校との共同研究によって、より深い教育実践が展開されるよう指導しています。
 以上のように、この授業では学校現場での実習を実りあるものにするために、社会系の全教員が参加し、また、1年次、2年次による合同授業も実施され、幅広い視点から省察を加え、授業実践力の向上を目指して取り組んでいます。

社会系教科におけるカリキュラムの変遷とマネジメントの実際

 本授業では、小学校・中学校・高等学校で過去に実践されてきた社会系教科のカリキュラムの変遷と教育現場での効果的なカリキュラム・マネジメントの運用方法を学んでいきます。
 まず、先行研究の分析からはじめて、これまでの研究の成果と課題を整理し、院生のみなさんと議論した問題点をもとに、カリキュラム・デザインの理論を学んでいきます。
 次に、社会系教科の実践的なカリキュラムのデザインと運用のために必要な各学校での教育実践活動の組織化と活性化のための方法や技術を習得していきます。
 本授業を通して、新しい学校カリキュラムの中に社会系教科を位置づけ、実践できる力量をどのようにすれば形成できるのか、わたしたちとともに考えていきましょう。