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第3号(2002年3月発行)

第3号(2002年3月発行)

  

「教育実践学論集」掲載論文 和文要旨 第3号(2002年3月発行)

論文表題
著者 掲載頁・和文要旨
社会的絆の理論の展開とインプリケーション -社会化プロセスと「行為」としての逸脱へのパースペクティブ-
松岡 律 pp.1-13
幼稚園における持続的遊び集団の相互作用過程 -ベールズの相互作用過程分析をとおして-
三宅 茂夫 pp.15-28
幼稚園教諭の意識変革に基づく保育スキル変容に関する研究 -援助スキル分析を手がかりにして-
佐藤 和順 pp.29-40
『エミール』における教育実践学論考 -哲学的視座から捉えた他者性との関連-
清重 友輝, 中塚 善次郎 pp.41-54
台湾における軽度知的障害児に対する子どもの意識 -縦断的検討-
糠 明珊 pp.55-63
説明的文章の学習指導における<他者>と出会う第1次のデザイン
河野 順子 pp.65-78
社会科教育へのGIS援用のために -低価格アプリケーションの可能性-
立岡 裕士 pp.79-88

掲載論文

「教育実践学論集」掲載論文 和文要旨

■第3号掲載論文

著者: 佐藤 和順
論文題目: 幼稚園教諭の意識変革に基づく保育スキル変容に関する研究 -援助スキル分析を手がかりにして-
  本研究は,幼稚園教諭の保育中の援助スキルを自己評価することにより,教諭自身の意識に変化が起こり,保育スキルにも変化が生じるということを明らかにすることを目的とする。研究の指標として用いた援助スキル分類と自己評価法を利用することにより,保育中の教諭の意識にも変化があらわれ,保育スキルも変わってくるという結果が認められた。その傾向は積極的な援助スキルである「会話をする」において顕著にみられた。また対象園児の年齢,教諭との関係により用いられる援助スキルが変化するという傾向も確認された。
キーワード:援助スキル,幼稚園教諭,自己評価法,意識変革,教諭と子どもの関係性

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著者: 清重 友輝・ 中塚 善次郎
論文題目: 『エミール』における教育実践学論考 -哲学的視座から捉えた他者性との関連-
  教育実践の根本には,教育者の掲げる哲学性があるとする観点から,『エミール』における哲学的精神への考察を行い,それを通じてジャン=ジャック・ルソーの教育論の意図と本質を明らかにすることを試みた。彼が教育の指標として示す,理性・自由・幸福・社会といった諸概念に対して,それぞれ考察を行った結果,彼の教育思想は自己側の観点から見れば優れた方向性を示しているものの,全体を通して他者性に欠けており,社会的存在としての人間への教育論としては不十分なものであるとの結論を得た。
キーワード:理性,自由,幸福,社会,他者性
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著者: 河野 順子
論文題目:説明的文章の学習指導における〈他者〉と出会う第1次のデザイン
  本研究では,第1次(導入)で,どのような出会いをデザインすることが,<他者>の声を立ち上がらせ,児童の論理的認識を育成する出会いになるのか提案することが目的である。研究方法として,先行実践,理論の第1次の分析,及び,実践の検証を行った。その結果,第1次の要件として,児童の生活の文脈への切り込み,学習の文脈を賦活させるためのディスカッション,児童自ら論理形成意識を賦活し,更新するためのテクストの準備の必要性が明らかとなった。今後,社会につながる読み手育成のための<他者>との出会いへと追究したい。
キーワード:説明的文章,出会い,デザイン,他者,活動水準