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project: B(H15~17)適応障害の包括的支援システムの構築

project: B(H15~17)適応障害の包括的支援システムの構築

  

平成15年度採択プロジェクト

プロジェクトの名称
適応障害の包括的支援システムの構築
プロジェクトの期間
平成15年度~平成17年度
医学の進歩により障害の早期発見が可能になってきており、その結果早期教育への期待が高まっている。しかし、注意欠陥・多動性障害(AD/HD),学習障害(LD)や高機能自閉症などの発達障害や引きこもりや不登校などの適応障害を伴う子どもでは,医学的治療の対象として捉えられず医療機関を受診することが少ない上,教育現場における情報が不足していることから実態把握が十分にできていない現状にある。そこで医学と教育の連携を強化することにより,実態把握や病態解明を行い,ここで得られた医学的知見を教育の場に反映した適切な早期教育や長期的な教育的支援を行うことが重要である。また,発達障害児が適切な教育的支援を受けなかったことによる強度行動障害や情緒障害などの二次的障害および環境要因に基づく適応障害への支援体制の確立も急務である。本研究では,以下の5つの領域により構成される。

領域Ⅰ: 発達評価,発達障害および適応障害の実態把握と病態解明および早期診断法の確立
教育機関との連携に基づきAD/HD,LDや高機能自閉症などの発達障害や強度行動障害,引きこもりや不登校などの適応障害の実態調査を行う。また,医療機関との連携により分子生物学・神経生理学・神経心理学などの神経生物学的方法に基づき発達障害の病態解明を行う。早期診断法の確立。

領域Ⅱ: 早期教育相談および早期教育や巡回指導に関する実践的研究
附属諸学校・発達支援相談室・巡回指導などの実践的教育現場における情報に基づき,早期教育相談や巡回指導における支援法の確立を目指す。また,芸術分野等も含めた新しい視点からの方法も研究。

領域Ⅲ: 集団教育や予防教育計画の作成および個別教育計画の作成
各領域の連携による新しい個別評価法を確立し,それに基づく個別教育計画の作成を行う。この領域の研究には集団教育や予防教育的手法も取り入れる。

領域Ⅳ: 心理臨床支援および情報工学との連携による新システムの開発
強度行動障害や引きこもり,不登校などの不適応児・者の心理臨床支援を行う。さらに,情報工学との連携により,健常児・者に対する適応障害児・者理解等のための疑似体験プログラムの開発

領域Ⅴ: 人的資源の育成および教育組織改革を含めた包括的支援に関する研究
各領域の連携により指導者を含めた人的資源の育成に関する研究を行う。また,家庭,関係諸学校および地域社会に対する効果的な啓発方法の構築等包括的支援に関する研究を行う。

プロジェクトに参加する研究科教員

チーム構成員氏名 連合講座 大学 職名等 役割分担 (◎はチームリーダー)
塩見 邦雄 方法 兵庫教育大学 教授 ◎総括・領域IV 学校カウンセリングに関する実践的研究
橋本 俊顯 臨床 鳴門教育大学 教授 領域Ⅰ 発達障害の病態解明に関する研究
今塩屋 隼男 (~H16.9) 臨床 兵庫教育大学 教授 領域Ⅰ 発達障害児の実態調査および 心理行動的病態解明
眞田 敏 臨床 岡山大学 教授 領域Ⅰ 早期診断システム作成の企画
松村 京子 生活・ 健康系 兵庫教育大学 教授 領域Ⅰ 乳幼児発達評価と支援に関する研究
高橋 敏之 臨床 岡山大学 助教授 領域Ⅱ 早期教育に関する実践的研究の推進
佐藤 曉 臨床 岡山大学 助教授 領域Ⅱ 早期教育相談および 巡回指導に関する実践的研究
柳原 正文 臨床 岡山大学 教授 領域Ⅲ 発達障害児の個別教育計画作成
山崎 勝之 臨床 鳴門教育大学 教授 領域Ⅲ 適応障害児の集団予防教育計画の作成
田中 雄三 (~H16.3) 臨床 鳴門教育大学 教授 領域Ⅳ 適応障害児・者の心理臨床支援に関する 実践的研究
山下 一夫 (H16.4~) 臨床 鳴門教育大学 教授 領域Ⅳ 適応障害児・者の心理臨床支援に関する 実践的研究
田中 宏二 (~H17.6) 臨床 岡山大学 教授 領域Ⅳ 心理支援システム構築に関する 実践的研究
正司 和彦 方法 兵庫教育大学 教授 領域IVにおける情報工学的研究による 新システム開発
古賀 一博 (~H16.3) 方法 上越教育大学 教授 領域Ⅴにおける学校教育組織改革の推進
渕上 克義 臨床 岡山大学 教授 領域Ⅴにおける人的資源育成計画作成

※職名は平成16年4月1日現在による。

研究成果報告