平成19年度採択プロジェクト
- プロジェクトの名称
- 教師の実践的指導力育成の方略に関する日独共同研究 -学部・大学院の養成・研修カリキュラムにおける教育科学教育と実習教育(インターンシップ)の機能的位置づけを中心にして-
- プロジェクトの期間
- 平成19年4月1日~平成22年3月31日
上記の課題設定のもとで,日本側とドイツ側がよりよい形で相互にこれまでの経験を提供し合うことが可能である。一方で,ブラウンシュヴァイク工科大学は,大学と地域の学校との連携や教育科学とりわけ教科教授学の開発の面で卓越した実績を有しており,日本の教員養成に示唆を与えてくれることが期待できる。他方で,兵庫教育大学をはじめとする新構想大学で進められてきた,学部と大学院の教員養成・研修カリキュラムの改革は,ドイツで目指されている学士と修士課程の教員養成カリキュラムの体系化と構造化にとって有益な情報を提供するであろう。
こうしたことに加えて,教員養成・研修で身につけさせるべき教師の実践的指導力をスタンダーズとして作成するという日独双方の課題に関して,両国の最新の議論状況を比較検討することによって,スタンダーズ作成の意義と留意点,スタンダーズ作成の基準,スタンダーズの具体的項目,教員養成・研修場面でのスタンダーズの適用等について,多面的かつ総合的に考察することが可能となる。
本プロジェクトでは,教師教育分野における未来志向的かつ実践志向的なイノベーションを期待することが可能であるが,以上のような日本と外国との双方向的な共同研究は,従来の我が国の教師教育研究においては不十分であることから,教師教育の国際的な共同研究に一つのモデルを提供することになろう。ひいてはそれは教育実践学の発展に寄与することになろう。
なお,本プロジェクトの成果については,日独両国の専門学会誌等において発表する予定である。それとともに,将来的に想定される兵庫教育大学をはじめ連合大学院の構成大学の教員養成・研修カリキュラムの改訂に際して,本プロジェクトの成果を積極的に反映させていくことができるようにしたい。ドイツ側にとっても相応の可能性が検討される予定である。
氏名 | 連合講座等 | 大学
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職名 | 役割分担(◎はチームリーダー) |
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(チームリーダー) 渡邉 満 |
先端課題実践開発 | 兵庫教育大学 | 教授 | ◎プロジェクト研究のコーディネート及び総括 |
森川 直 | 学校教育方法 | 岡山大学 | 教授 | 教育科学教育を中心とする教員養成・ 研修カリキュラム開発 |
木内 陽一 | 学校教育方法 | 鳴門教育大学 | 教授 | 教育科学教育を中心とする教員養成・ 研修カリキュラム開発 |
渡邊 隆信 | 学校教育方法 | 兵庫教育大学 | 准教授 | 実習教育を中心とする教員養成・ 研修カリキュラム開発 |
別惣 淳二 | 学校教育方法 | 兵庫教育大学 | 准教授 | 教員養成・研修におけるスタンダーズ開発 |
氏名 | 大学
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職名 | 役割分担 |
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大関 達也 | 兵庫教育大学 | 講師 | 教員養成・研修におけるスタンダーズ開発 |
氏名 | 配属大学・連合講座・学年
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役割分担 |
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原 安利 | 岡山大学・学校教育方法・D3 | 教員養成・研修における理論-実践問題の研究動向調査 |
氏名 | 配属・職名
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推薦教員 | 役割分担 |
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カール・ノイマン | ブラウンシュヴァイク 工科大学・教授 |
渡邉 満 | 教師の中核的指導力要因としての コミュニケーション能力の実践的開発 |
ハイデマリー・ケムニッツ | ブラウンシュヴァイク 工科大学・教授 |
渡邉 満 | 教育科学教育を中心とする教員養成・ 研修カリキュラム開発 |
ディートヘルム・クラウゼ=ホトップ | ブラウンシュヴァイク 工科大学・教員 |
渡邉 満 | 実習教育を中心とする教員養成・ 研修カリキュラム開発 |
坂越 正樹 | 広島大学大学院 教育学研究科・教授 |
渡邉 満 | ドイツにおける教員養成・ 研修改革の動向研究 |
早田 恵美 | 福岡県久留米市立 高牟礼中学校・教諭 |
渡邉 満 | 日本における実習生指導の 実践的研究 |
※職名は平成21年4月1日現在による。
研究成果報告書として「日本とドイツの教師教育改革-未来のための教師をどう育てるか-」(東信堂)が出版されました。