project: Y(R2~4) 先端課題解決に向かう実践的教育研究とそれに基づく研究リカレント化モデルの可能性
令和2年度採択プロジェクト
- プロジェクトの名称
- 先端課題解決に向かう実践的教育研究とそれに基づく研究リカレント化モデルの可能性
- プロジェクトの期間
- 令和2年4月1日~令和5年3月31日
プロジェクトの概要
プロジェクト研究の概要
本プロジェクトは、21世紀中庸の社会に期待される実践基盤型教育研究に係る高等教育(大学院博士課程前期・後期)のあり方研究につながるものとして、乳幼児〜児童期を対象とする現代的な臨床課題の連携型解決に取り組む事例研究を通して、教育研究者(現職教員・現職大学教員)としての質の向上を図る大学院リカレント化を志向している。その研究形態は、本プロジェクトに関わる教育研究者等も対象に加え、教育実践上に生起する諸課題を解決する研究とともに、その遂行力ならびに研究指導力向上に関する基礎的調査研究も構えている。研究期間中の具体的な内容として、「教科横断的内容と多様な集団に見られる認知的および非認知的能力の相乗効果過程」とそれに呼応する「カリキュラム・組織マネジメントと指導カウンセリング」を用意している。さらにその研究プロセスで得られた知見や国内外の関連情報の整理から、高等教育の実践的・実証的研究にもとづく教育研究体制のリカレント・モデル形成の試みを範囲としている。 具体的には、以下のプロジェクトからなる連携研究を基本スタイルとして、全体を構成している。
課題:先端課題解決の事例的研究並びにそれに基づく研究者育成のための高等教育研究リカレント・システムの可能性を探る
研究プロジェクト1 目的:教科横断的内容と多様な集団における認知的および非認知的能力の相乗効果過程の解明とモデル作成
研究プロジェクト2 目的:研究プロジェクト1と連動するカリキュラム・マネジメントおよび教育組織マネジメント、指導カウンセリングモデルの提案
研究プロジェクト3 目的:研究プロジェクト1・2に基づく教育研究者育成のための研究システムのリカレント・モデル化
研究プロジェクト1:「教科横断型」と実社会に見られる「多様な集団(ex.異年齢集団、多世代集団や異文化集団)」をキーワードに国内外の幼児教育(5領域)及び小学校教育(生活科・総合的な学習の時間等)、多様な集団における幼児・児童の「協働(共創)する学び」について、国内外の理論的・実践的な知見を整理分析する。さらに「教科横断型」と「多様な集団」を交差させる中、認知的・非認知的能力の相乗効果の解明とそのモデル試案を作成する。
研究プロジェクト2:研究プロジェクト1と情報交流し、関連性を担保するともに研究プロジェクト1に伴うカリキュラムマネジメント・指導組織のマネジメントの知見整理に加え、認知的・非認知的能力の連動した指導カウンセリングのモデル案を示す。
研究プロジェクト3:研究プロジェクト1(教科横断型・多様な集団、認知的・非認知的能力)と研究プロジェクト2(組織及びカリキュラム、指導カウンセリング)を通して、本研究全体のシステムを省察・整理するとともにその研究体制のデザインに係る要素を抽出することで、教育研究者育成システムのリカレント化モデルの提案を試みる。
(各プロジェクト:国内外の研究協力者との情報交流・共同研究、関連国際学会等での発表も含む。)
期待される成果
プロジェクトの実施により期待される成果
本プロジェクト遂行による成果は、先端課題解決に向かう期待として次のようにまとめられる。
幼児・児童期における新たな学習のあり方に対する提言ができる。昨今話題となっているプログラミング教育やSTEAM等を取り入れた教科横断的な内容と学校園内外の多様な集団によって形成される認知的能力・非認知的能力のかかわりが検討され、幼児・児童期における新たな「学び」の姿が示されることになる。
また、多様な集団に見られる幼児・児童の発達特性をもとにして新たな教科横断的な学習を進めるためには、指導組織のマネジメント能力およびカリキュラムのマネジメント能力、さらには授業実施のためのカウンセリング・マインドが求められる。その一つの回答として、本研究の成果が位置付けられ、力量形成としての学習指導論と組織構成理論の一体的知見が具体化される。
さらに、本研究遂行に携わった関係者の研究省察をもとに、研究体制を含む実践基盤研究のデザイン原則が明らかにされることから、プラットホーム的役割を担う大学院における教育研究者育成のためのリカレント・モデルが期待される。
チーム構成員
プロジェクトに参加する研究科教員
氏名 |
連合講座 |
大学 |
職名 |
役割分担(◎はチームリーダー) |
(チームリーダー) 溝邊 和成 |
先端課題実践開発 |
兵庫教育大学 |
教授 |
◎プロジェクト全体の統括,プロジェクト3リーダー |
水落 芳明 |
先端課題実践開発 |
上越教育大学 |
教授 |
プロジェクト1リーダー,プロジェクト3サブリーダー,ICT活用・STEAM等担当 |
田村 隆宏 |
先端課題実践開発 |
鳴門教育大学 |
教授 |
プロジェクト1サブリーダー,プロジェクト3サブリーダー,幼小連携・発達心理担当 |
久我 直人 |
先端課題実践開発 |
鳴門教育大学 |
教授 |
プロジェクト2リーダー,プロジェクト3主メンバー,学校・園組織マネジメント担当 |
西山 修 |
先端課題実践開発 |
岡山大学 |
教授 |
プロジェクト1サブリーダー,プロジェクト3主メンバー,保育内容及び保育者育成担当 |
高橋 敏之 |
先端課題実践開発 |
岡山大学 |
教授 |
プロジェクト1主メンバー,プロジェクト3サブリーダー,保育内容・環境(造形表現)担当 |
松本 剛 |
先端課題実践開発 |
兵庫教育大学 |
教授 |
プロジェクト2サブリーダー,プロジェクト3主メンバー,相談支援担当 |
プロジェクトに参加する院生
氏名 |
配属大学・連合講座・学年 |
主指導教員 |
役割分担 |
永井 毅 |
兵庫教育大学,先端課題実践開発,1年 |
溝邊和成 |
プロジェクト1・3メンバー 保育内容に関する保育者養成/育成・保育実践研究 |
松田 雅代 |
兵庫教育大学,先端課題実践開発,2年 |
溝邊和成 |
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勝見 慶子 |
鳴門教育大学,先端課題実践開発,2年 |
田村隆宏 |
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山崎 功 |
兵庫教育大学,先端課題実践開発,2年 |
溝邊和成 |
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水野 大輔 |
上越教育大学,先端課題実践開発,3年 |
水落芳明 |
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外山 良史 |
上越教育大学,先端課題実践開発,1年 |
水落芳明 |
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岸 亮 |
上越教育大学,先端課題実践開発,1年 |
水落芳明 |
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プロジェクト研究員
氏名 |
配属・職名 |
推薦教員 |
役割分担 |
稲井 雅大 |
大阪市立中大江小学校・教諭 |
溝邊 和成 |
プロジェクト1・3メンバー 幼小連携・STEM/STEAM教育に関する授業実践研究 外国情報 |
Sarika Kewalramani |
モナシュ大学(豪州)・准教授 |
溝邊 和成 |
プロジェクト1・3メンバー 幼児教育、STEM/STEAM教育 |
伊藤 良介 |
兵庫教育大学・大学院学校教育研究科2年 |
溝邊 和成 |
プロジェクト1・3メンバー 幼小連携・STEM/STEAM教育に関する授業実践研究 外国情報 |
若田 美香 |
岡山大学,大学院教育学研究科修士課程,2年 |
西山 修 |
プロジェクト1・3メンバー 保育内容及び保育者育成・保育実践研究 |
榊原 範久 |
上越教育大学・准教授 |
水落 芳明 |
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大島 崇行 |
上越教育大学・准教授 |
水落 芳明 |
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※職名は令和2年4月1日現在による。
研究成果報告
※研究成果として教育系博士課程におけるリカレント・モデルの構築(学事出版)が発行されました。