教員紹介
哲 学
森 秀樹

教育・研究に対する考え方
私は自己が他者と関わる中で自分を形成していくあり方に関心をもってきました。ハイデガーという哲学者を事例として一人の哲学者が当時の状況の中で思想を編み上げていったプロセスを研究するとともに、他者にさらされる中で形成される自己の構造や自他の共存の可能性の条件についても考察してきました。それは複雑化・流動化している現代社会の中でどのように生きていくのかという市民性教育の課題にもつながっています。その一環として、教室の中での対話を促進する「子どもの哲学」の研究・実践もおこなっています。
担当授業
- 学部
哲学概説
哲学演習
初等社会 - 大学院
現代社会の課題とその教材化
教育課程の制度的特質と課題
メッセージ
現職の先生方へ学校現場には様々な課題が山積しています。そこにどっぷり浸かっていると、ついつい「授業研究」、「学級作り」「子どもの心」といったカテゴリーからアプローチすることになりがちです。そういった整理はとても重要ですが、カテゴリーに飲み込まれてしまうことでもあります。個々の事象の外見にまどわされずに、教室での出来事を社会事象として解きほぐしてみませんか?
高校生の皆さん教育の現場では、先に生まれたものと後に生まれたものとが出会います。すると、それぞれは何らかの行動をとり、互いに影響を及ぼしあいます。このような相互作用の中で、色々な化学変化が生まれることになります。その出来事を注視し、素敵なことが起こったときに、「今、素敵なことが起こったよ」と指摘してあげることこそが先に生まれたものの努めだと考えています。