教員紹介
西洋史学
森田 猛

教育・研究に対する考え方
研究分野は、スイスの歴史家ブルクハルトを中心とした史学史研究です。19世紀にドイツで近代科学としての歴史学が形成されたとき、この人物は歴史学の科学化・職業化がもつ弊害をはっきりと認識していたほとんど唯一の歴史家でした。彼を通して、歴史という学知がもつさまざまな力や可能性がみえてきます。歴史とは何か、わたしたちはなぜ過去の人びとに関心をもてるのか、そういった素朴な疑問に触れることができるのも、このテーマの魅力です。
大学以降の教育は、自分みずから問いを見つけ、その答えを探す作業で、主体はあくまで学生の側にあります。教師はそういう作業を少々長くやってきた同学の士として、その作業の手助けをすることだと考えています。
担当授業
- 学部
伝説と史実
外国史特講
外国史演習Ⅱ
初等社会Ⅱ
初等社会科授業研究 - 大学院
西洋の歴史と文化
西洋の歴史と文化(演習)
人間と環境
メッセージ
現職の先生方へ長く教師生活を送るなかで、いちどゆっくり考えてみたい課題、いちどじっくり学んでみたい学問も出てくるのではないでしょうか。けれども、忙しすぎてそんな時間はとてももてない。・・・それでは、修士課程に進んで、黒板を前にする生活をもういちどはじめてみてはどうでしょう。厳しい現実を前に奮闘する現場を体験されたあと、あえて青臭い理論や理念に触れてみてはどうでしょうか。そして、ふたたび、黒板を背にしたとき、2年前とは異なる景色をみることができるかもしれません。
高校生の皆さん少子高齢化って、いろんなところでよく聞く言葉ですよね。子供がどんどん減っていくから教師も減らされる。学校の先生なんて、だんだんいらなくなっていくのかしらん。・・・しかし、減っていくからこそ、それだけひとりひとりの子供をしっかり育てる必要があり、個性や才能という貴重な財産を大切に扱える教師が重要となってくるのです。成熟期を迎えたこの国が持続的に成長できるかどうかは、その点にかかっています。社会系では、そういう教師の社会的責務を自覚した、ちょっと格好良い先輩たちが学んでいます。