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令和4年度大学院学校教育研究科(夜間)学位記授与式式辞

 兵庫教育大学大学院学校教育研究科修士課程夜間クラスの皆さま、そして臨床心理学コースの方、さらには教育実践高度化専攻教職大学院の教育政策リーダーコースの方、学校教育コースの方、合わせて81名、修了そして学位の取得、本当におめでとうございます。

 皆さまは、この2年、3年、中にはもう少しかかった方もいると思いますけれども、コロナとの付き合いの中で学ばれました。コースによって学びの形が違いますので、一概に全部だとはいい切れませんが、いかがでしょうか、通学が減りまして、オンラインによる学び、要するに通学しなくても学べるスタイルの授業を多く経験されました。それはいかがだったですか。

 それぞれ感じ方はあると思うのですが、社会人の学びではこのスタイルはむしろ主流になるのではないでしょうか。対面の良さはもちろんあります。対面でないとできないことがあることは、臨床心理学コースの方はよくご存じだと思います。対面でしかできないことは対面でやらなくてはならないのですが、対面でなくてもできることは移動のコストを要しない、利便性の高いオンラインを活用する方法がとられるでしょう。その際に重要なのは、学生本人の希望によってオンラインでも対面でも学べる形することです。そういう方法をハイフレックス型と呼んでおります。兵庫教育大学は今、これに非常に力を入れています。

 いずれにしましても、この経験は貴重だと思います。皆さまの多くは現在も、そしてこれからもオンラインでの学びを提供することが多いと思います。その時に、この経験をぜひ生かしてください。とりわけ学ぶ側の立場として感じたことは教える側はなかなか分かりません。皆さんはそれが分かりましたので、ぜひ皆さまが教える側に立ったときに、学ぶ側の気持ちを汲んでやっていただければと思います。

 今拝見しても分かりますように、非常に多様な方々です。年齢でいいますと、臨床心理学コースの昼間の比較的若い方からそれなりの年配の方までおられます。居住している地域も幅広いと思います。いずれにしろ、非常に多様な方々が集まって同じこの場所で修了を迎えているということです。

 そういう皆さまにとって、大学院に入学して2年なり3年、あるいはそれ以上学んで今日修了することは、人生におけるエポックメーキングだと思います。これから学位を糧に人生が変わっていくと思うのですが、よくお分かりのように、学びはこれで終わりではありません。これからもずっと学び続けることが必要です。

 ご存じのように人生100年といわれていますので、多くの方は同じ職業を続けることがないと思った方がいいと思います。そうすると、職が変わると学び直さなくてはならないということになります。VUCAの時代といわれて、しかも変化がどういうふうに起こるかが分かりません。そうすると、学びの仕方が当然変わってくると思います。内容も変わってきます。常にそういう心構えが要るということだと思います。そういうことをまずご確認ください。

 ただ、大事なことは、この2年ないし3年、あるいはそれ以上の学びは、皆さまがこれから長く学び続けるための基盤になります。そのことを強く自覚いただきたいのです。基盤ということで意識してほしいことを二つ申し上げます。

 学びの仕方を学んだと思っておられますか。たとえば、本が読めるようになったとか、統計手法を学べたとか、実験手法を学べたとか、論文が読めるようになったとか、もっといいのは論文が書けるようになったとか、ICTの機器が使えるようなったとか、デジタルが詳しくなったとか。いろいろあっていいのですけれども、要するに、学ぶための基盤づくりを大学院の学びで得たことをぜひ自覚していただきたい。これが今後有効に活用されていくことになると思うのです。これが1点目です。

 二つ目です。臨床心理学コースは昼間クラスの方もおられますけれども、多くの方は仕事を持ちながらの学びです。もちろん臨床心理学コースの方も結構お忙しい中で学ばれたと思いますが、これはかなりすごいことです。仕事をしながら大学院に通って学んで、論文等を書き上げて学位を取るというのはそうそう簡単なことではありません。おそらく相当苦労されたと思います。そのことの意味を自分の中でよく確認いただきたい。

 つまり、そういうことができる自分というのは大したものなのです。いわゆる非認知能力である自己効力感を高めていただきたいということです。自分に自信を持ってほしいということです。自分に自信があれば、これからいろいろな困難に直面しますけれども、その際に立ち向かうための何か基盤のようなものになりますし、効力感が高いと学びが効果的になります。チャレンジ精神も出てきます。そういうことをぜひ自覚いただきたいと思います。

 最後になりますが、皆さまは修了されますけれども、兵庫教育大学と今後もお付き合いをぜひお願いしたいと思います。ハーバーランドキャンパスは、令和6年の10月には新長田に移転します。JR新長田駅から南にすぐ行った所です。今、兵庫県が建てているビルの中に入る予定です。少し西側に行きますので通学時間が増える方が多くなるかもしれませんが、施設は格段に良くなります。ぜひ有効活用してください。

 本学はご存じのように博士課程がありますので、それも今後の学びの一つの選択肢として考えてみてください。修士も価値は高いのですが、博士の学位はよりレベルが高いと同時に希少性が高いです。人生のいろいろな選択をする際に、その幅が広がっていくことは間違いないです。完全フレックスで、仕事をしながら学べます。

 それでは、皆さまの本大学院での学びが皆さまの人生において有効に機能することを祈念しまして、私のお祝いの言葉とします。

令和5年3月23日 国立大学法人兵庫教育大学学長 加治佐哲也

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