入試情報 大学紹介

学部・大学院

キャンパスライフ 国際交流
search資料請求menuclose

令和4年度大学院連合学校教育学研究科学位記授与式式辞

 兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科、令和4年度、課程による博士の方18名、論文による博士の方7名の皆さま、学校教育学の博士号の授与、本当におめでとうございます。構成6大学を代表いたしまして、心よりお祝い申し上げます。

 皆さまの多くはお仕事をお持ちです。仕事を続けながらの学位取得ですので、達成感もひとしおではないかと察します。これから、皆様にとって様々な進路や人生があると思いますが、必ずこれは一つの大きな基盤、あるいはステップにつながるものと言えると思います。博士号を得て、新たな人生を切り拓かれる皆さまに対しまして、本日は私から二つのことを申し上げたいと思います。

 一つは、これから研究職を得ようとする方のみではなくて、様々なご経歴をもつ経験豊かな方がおられますが、博士は、課程博士はもちろん、論文博士も出発点であるということです。我々は、もちろん皆様のこれまでの研究業績に対して博士学位を授与しているのですが、基本的には、研究能力を有するという証明を与えているわけです。従いまして、その研究能力を用いて今後大いに研究をしていただかなければならないということを意味しております。

 現在もそうですし、これからは環境や社会の変化がさらに激しくなります。そうしますと、求められる研究課題が自ずと変わってまいります。皆様方の研究題目を拝見しますと、多くの方が、極めて実践的なテーマであり、今現在求められている社会や学校教育の課題の解明や解決のための研究が多いと思います。このような課題は、必ず変化いたします。皆様には博士論文を執筆される際に身に付けた、高度な専門性や研究力があります。同じ研究テーマを究め続けることは大変結構なことです。同時に皆様に求められ、必要とされる研究課題は、社会の変化、環境の変化と共に変わりますので、ぜひそこにも留意いただいて、培った高い専門性や研究力をもとに、新しい課題にチャレンジしていただきたいと思います。

 2点目です。私、大学の学長を長く務めており、その中で強く感じていることです。自分の研究関心による個人の研究や、共通の研究テーマをもつ研究者による共同研究はもちろん重要です。ある意味、研究の基本だと思います。そういう方々には、特に科学研究費をたくさん獲得していただきたいと切に願っております。同時に、大学などの研究機関は組織として研究プロジェクトを企画します。外部から資金をもらったり、あるいは内部の資金で研究プロジェクトを組みます。そのテーマというのは、その時々に求められる最新課題になります。たとえば、現在大学に求められている課題ですと、STEAM人材の育成を大学教育でどう進めるのか、そのために大学教員のFDをどうつくるのか、といったことがあります。そういう研究テーマに対して、所属大学等で組織の一員として積極的に関わっていただきたい。それには、皆様が培われた研究力がもとになります。そういう新しい課題が所属組織から与えられることもありますので、ぜひ、積極的に参画いただければと思います。そして、必ず大学等のプロジェクト研究の成果を論文にまとめて、ご自分の研究業績としてください。

 最後になりますが、博士号を取得をされた本日、研究倫理を順守することを改めてお誓いただきたい。ご存じのように、盗作や剽窃、実験データの改竄(かいざん)であるとか、研究費の不正使用であるとか、研究倫理にもとる事案が現在も後を絶ちません。一度やってしまうと研究者人生は終わりますし、これまで支援してくれた方々、指導してくれた方々全てを裏切ることになります。研究倫理に強くご留意いただいて、所定の規則や手続きを必ず遵守してください。

 それでは、研究による皆さまの社会貢献が進展すること、また博士号を得て皆さまが新たな人生をつくられることを祈念しまして、私のお祝いの言葉といたします。本当におめでとうございました。

令和5年3月21日 国立大学法人兵庫教育大学学長 加治佐哲也

PAGE TOP