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令和5年度大学院学校教育研究科(昼間)入学式式辞

 大学院学校教育研究科令和5年度157名の入学生の皆さま、ご入学本当におめでとうございます。大学を代表いたしまして心よりお祝い申し上げます。今年は桜が非常に早くて、入学式に桜があるかなと心配していましたが、かろうじて残っている状態で、皆さまを歓迎してくれていると思います。

入学式にあたりまして、私、学長から2点ほどお話ししたいと思います。

(オンラインやICTを活用した授業や研究に前向きに、積極的に取り組む)
 一つ目はオンラインやICTを活用した授業や研究に前向きに、積極的に取り組んでいただきたいということです。

 本学もこの3年間のコロナ禍への対応の中で、オンライン授業、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型の授業、学生がオンラインにするか対面にするか選ぶことのできるハイフレックス型の授業、こういう対面のみではないスタイルの授業がメインになってきました。コロナは収束に向かいますが、専ら対面であったコロナ以前の授業スタイルに戻ることはなく、オンラインなどのICTを活用した学びのスタイルはもっと盛んになるといえます。皆様が修了後に戻る職場、あるいは新たに就職する職場、たとえば小中学校、高校でもそうでしょう。

 2年間、あるいは3年間そういう環境の中で学ぶことになります。修了後は大方の方はオンラインを活用した授業や指導を今度は行う側に回りますので、受ける側での経験、こうするとうまくいくとか、こういうやり方はまずいとか、そういうことを体験していただいて、行う側に回ったときにぜひ生かしていただきたいと思います。このように考えて、オンラインやICTを活用した授業や研究に積極的に取り組んでください。

(学び続けるための基盤をつくる)
 二つ目です。修了後も学び続けるための基盤を、大学院の学びでつくっていただきたいということです。

 まずは当然ながら、大学院在学の2年間ないし3年間で、それぞれのコース、専門分野においてご自分の目的を達成してください。何かの資格を取る、実践を理論で検証する力をつける、アカデミックな研究力をつける、教員免許を取って教員に就職するなどでしょうか。

 このような大学院入学の直接の目的の達成とともに、大学院修了後も、さらに学びを続けていかなければなりません。皆さまは教員であろうと、心理専門職であろうと、例外なく高度な専門職です。高度な専門職は学び続けなければなりません。さらに、人生100年時代です。学ばなければ充実した人生を送ることはできません。しかも、変化が激しいです。学び続けることが必須です。そこで大学院で、学び続けるための基礎力といいますか、土台のようなものをつくっていただきたいのです。

 学び続けるための基盤となるものを3点述べます。とは言っても難しいことは述べません。

(学びのスキル)
 一つは学びのスキルを高めるということです。例えば、調査法を学ぶと思います。統計的な調査法や質的な事例研究の方法は有用です。学術論文の読み方であるとか、これからは何よりも、先ほどオンラインでの学びを申し上げましたが、ICTの活用力です。これは必須です。学校現場では1人1台、児童・生徒は端末を持っています。この端末を活用したデータの処理です。端末を使って情報を集積すると、AIがそれを解析する。そのためのAIと教育データサイエンスを学んでください。これらは学び続けるための力となります。

(ネットワーク)
 それから、学び続けるために二つ目に大事なことは、ネットワークです。

 皆さまは非常に多様な背景をもつ方々です。現職教員で、派遣で来られている方、修学休業で来られている方、お仕事を辞められて新たな職に就くための能力や資格を得るために入学された方、大学学部を卒業してすぐにさらに学びを深めるために入学された方、そういう方々がおられます。本学の院生はこういう方々が集まった多様性、ダイバーシティに富んだ集団です。ダイバーシティに富んだ集団では刺激が多く、相互に多様な知見が得られ、学びの効果を高めます。

 しかも、大学院に入学する方は、程度の差はあっても、学ぶ意欲はものすごく高いです。多様で、学びの意欲の高い方々とのネットワークをつくって、大学院での学びの効果を相互に高めてください。

 そして、修了後もこのネットワークを継続することです。それは学び続けるための大きな財産になります。

 皆さん、かなり広範囲から来ておられます。しかし、すでにオンラインでの交流は普通のことになっています。修了後、地理的距離は遠くなっても、また外国に居住してもオンラインがあれば、日常的に交流できます。ぜひ大学院で学びのネットワークをつくってください。

(健康づくり)
 そして、3点目は健康づくりです。激しい変化の中で、仕事に必要な学びを続けることは、私自身が今もそうなのですが、結構ストレスがかかります。ストレスに打ち勝って学び続けるためには何が必要か。健康が一番です。健康をつくってください。例えば、忙しくてなかなか病院や歯医者に行けなかった方、持病を必ず治してください。生活習慣が良くない方、食事をバランスよく取っていないとか、運動不足だとかいう方は、食事と運動の生活習慣をこの大学院生活で確立してください。要するに申し上げたいのは、心身の健康が学び続けるための一番の土台になるということです。

 そういうお願いをいたしまして、私からのごあいさつとしたいと思います。この2年ないし3年が、皆さまにとって次の人生のステップにつながるものであることを祈念いたしまして、私からのお祝いの言葉といたしたいと思います。どうぞ頑張ってください。

令和5年4月5日 国立大学法人兵庫教育大学学長 加治佐哲也

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