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令和5年度大学院連合学校教育学研究科入学式式辞

 令和5年度兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科への38名の入学生の皆さま、ご入学本当におめでとうございます。構成6大学を代表いたしまして心よりお祝い申し上げます。

 皆様のご入学に際しまして、私は二つのことをお話しいたします。

 先ずは、本連合大学院博士課程のミッション、つまり基本的な使命をぜひ認識、あるいは確認していただきたいということです。本大学院は、教育実践学を推進することが基本的な使命です。教育実践学とは何かというと、理論と実践を架橋・往還する、融合する研究ということです。伝統的な博士課程では研究能力の育成が中心であったと思いますが、当然それは重要ですが、教育実践学を推進する本大学院では、それに加えて実践力や実践性を持つ人材を養成するということです。

 こうした人材のニーズが非常に高くなっております。その主たる要因は、教職大学院が全国に設置されたことと、教職大学院の規模が非常に大きくなっていることです。教職大学院というのは、理論はもちろん実践性も備えた学校現場の高度な人材を養成することが使命です。そういう人材を養成する教職大学院の教員にも、同じようにより高いレベルの両面の能力が求められるということです。すなわち、優れた研究能力と実践性です。この両面が必要になります。教職大学院の量的拡大によってそうした人材へのニーズが高まっているのです。

 加えて、学部段階の教員養成教育においても理論と実践を往還させた学びが求められています。昨年12月の中教審答申では、教職大学院における成果を踏まえて、理論と実践を往還させた学びを学部段階でも実現することが提言されました。そのために、教員養成学部において、大学における学びと学校現場での実践との行き来を促進する教育実習の工夫や実務家教員配置の義務化などが提言されています。

 教育実践学を行うことによってまさしく、理論と実践を往還する能力を備えた人材が育成されます。その成果として、これまでの多くの修了生が教職大学院や教員養成学部に就職しております。ぜひ皆さまも、理論と実践性を備えた高度な研究力を教育実践学によって身につけることを常に意識しながら研究を進めていただきたいと思います。

 二つ目です。研究者にはネットワークが極めて重要です。研究は基本的には個人で行うものです。しかし、そうではあっても、研究者間での情報や知見の交換は不可欠です。また研究者には、他の研究者と協力し合い、助け合いながら実施する共同研究に参加することも必要です。大学などの研究機関が組織として行う研究プロジェクトへの参画が求められることもあります。

 ぜひこの博士課程の在学中に、研究者ネットワークを作ってください。指導教員とはもちろん、他の連大の先生方、とりわけ同僚の方々の間の交流を盛んにして下さい。皆さんは6大学それぞれに分かれますので、日常的に会われることは少ないと思います。連合大学院はそのために、D1セミナーなど、6大学の学生が一緒に会する機会を用意しています。ネットワーク作りと思ってぜひ積極的に参加するようにしてください。同じ連大の院生であっても専門分野がそれぞれ違います。むしろ違う専門分野の方とネットワークを作ることが有用と思います。

 オンラインでの授業や会合が多くなっていますが、学びの交流は工夫次第でオンラインでもかなりの程度できます。また、量的には少ないかもしれませんが、対面の機会もあるでしょうから、貴重な対面の機会を有効活用してください。

 本大学院で築いた研究ネットワークを修了後も活用して、豊かな研究生活をつくってください。

 さて最後になりますが、これはいわずもがなのことなのですが、研究倫理が研究者にとって最も重要です。本連合大学院には研究倫理を学ぶプログラムがあります。博士課程学生として研究倫理の順守を本日から強く意識してください。

 それでは皆さまの本連合大学院での学びと研究が、皆さまの人生の次のステップアップにつながることを祈念いたしまして、私からのお祝いの言葉としたいと思います。どうぞ頑張ってください。

令和5年4月8日 国立大学法人兵庫教育大学学長 加治佐哲也

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