令和6年度大学院学校教育研究科(夜間、フレックス及び臨床心理学コース(昼間))学位記授与式式辞
国立大学法人兵庫教育大学、学校教育研究科、修士課程と専門職学位課程の夜間クラス、フレックスクラスの方々、そして臨床心理学コースの昼間クラスの方々、合わせて100名になります。修了本当におめでとうございます。大学を代表いたしまして心よりお喜び申し上げます。
たくさんの方に参列いただいております。やはり多彩です。いろいろな背景をもった方がおられます。全国から多様な方々がこの兵庫の地に集って学ばれました。このような大学院を有することに改めて誇りを感じております。私は実はこの3月で任期満了のため、本式典が私にとって最後の修了式ですので、私自身も感慨ひとしおなのですが、皆さんの達成感に満ち溢れたお顔を拝見して、学長をやっていてよかったと率直に思います。
皆さま方に今日は四つほど申し上げたいと思います。
一つ目は、毎年申し上げていることです。皆さんは結構苦労されて学ばれたと思います。多くの方は、お仕事をされながら、しかも年齢の高い方が結構おられますので、相応に責任の重い仕事をされながら大学院で学ばれて、修了されました。やり遂げましたので、力がついたということです。この力がついたということを改めて自覚いただきたい。われわれは修士の学位授与によって能力証明しましたので、この能力証明を、今後も学び続けなければなりませんので、そのための一つの自信にしていただきたい。すなわち、よくいわれる自己効力感を高めていただきたいということです。自分に対する自信です。もちろん臨床心理学コースの昼間クラスの方もそうですけれども、それをぜひ強く持って、これからもしっかり学び続けていただきたい。私の申し上げたいことはこれに尽きます。
今日はもう一つ。それは、兵庫教育大学の有する資源を今後ともしっかり活用してくださいということです。大学院の学びに皆さんたくさん投資されました。お金も時間もエネルギーも。どうですか、すでに回収できましたか。これからも回収できます。
この新長田の新しいキャンパスは今日がこけら落としですので、ほとんどの方は初めて来られたと思います。今回を最初で最後にしないでください。充実した施設になっておりますので、修了後もいろいろな機会にご活用ください。当然、修了生の方は優遇されます。例えば、たくさんの研究会を修了生の方が組織されていますので、その会合の場として使ってください。
二つ目は、私は国立教育系大学院の中では本学が一番充実していると思っておりますが、修了後の学びの支援です。本学には修了生・卒業生連携センターがありまして、大学院同窓会と連携してさまざまな取り組みを行っております。例えば、大学院同窓会の船本副会長にもおいでいただいていますので後でお話があるかもしれませんが、本学の大学教員と共同研究をすると、それに対して同窓会が研究費を支援する事業を行っております。教育実践論集を刊行しております。皆さんから論文を募集して掲載し、優れた論文は表彰しております。それから、多くはコース単位と思いますが、研究会がたくさんあります。教育政策リーダーコースにも、学校経営コースにもあります。他のコースにも、私が知らない研究会がたくさんあると思います。非常に活気がありますので、学び続けるためのツールとしてぜひご利用いただきたい。
三つ目も学びの支援です。本学は、大学院で現職の方々に学びを提供しているだけではなくて、大学院に在職していない教員や心理専門職の方々に対する教員研修プログラムを幅広く展開しております。今年度は69講座を設けまして、1,300人以上の受講者がありました。対面だけでなくオンラインの講座も多くなっています。教師についても研修観の転換がいわれていまして、講義型の学びではなくて、自ら問題解決力を培うような探究的な学びを、子どもたちと一緒ですけれども、教師も行うべきとされていますので、そういうものもたくさん用意されています。修了後、ぜひこちらを活用いただきたい。その中の幾つかは独立行政法人教職員支援機構の講座としても開講しています。
最後、博士課程です。博士課程をぜひ考えてみてください。率直に申し上げて、修士課程・専門職学位課程よりはるかにハードルが高いです。完全フレックスですので、お仕事をされて学ばれた方は、その点では条件は変わりませんが、入学定員が少なくなりますし、研究レベルも上がってきますので、より励んでもらう必要があります。夜間クラスやフレックスクラスを出られた方も入学していますので、指導教員との縁も生かしていただいて、ぜひチャレンジしてみてください。将来のキャリアがもっと広がると思います。
それでは、兵庫教育大学大学院での学びを生かされて、皆さまのこれからの人生がさらに豊かに充実したものになることを祈念いたしまして、私からのお祝いの言葉としたいと思います。どうぞ頑張ってください。
令和7年3月22日 国立大学法人兵庫教育大学学長 加治佐哲也