令和7年度大学院学校教育研究科(フレックス及び臨床心理学コース(昼間))入学式式辞
国立大学法人兵庫教育大学大学院学校教育研究科(フレックスクラス及び臨床心理学コース昼間クラス) 令和7年度入学生の皆さま、ご入学、誠におめでとうございます。大学を代表致しまして、皆さまを心より歓迎致します。
皆さまのご入学に際し、一言ご挨拶を申し上げます。本学にご入学される皆さまは、様々なお立場の方がいらっしゃいますが、それぞれに大学院での学びに対して、熱い思いと明確な目標をもってご入学されたと思います。特に、フレックスクラスの皆さまは、働きながらの大学院進学を決断されたということで、強い意志と覚悟を持ってご入学なされたことと思います。私ども教職員一同、そのような皆さまの思いや目標の実現に向けて、精一杯、サポートさせて頂く所存です。
さて、本学の大学院は、実践の知を求める研究志向の強い大学院です。教師教育の分野では、教育実践学の構築を目指し、教師としての専門性と研究力の向上を図っています。臨床心理学の分野では、様々な「心」の問題にアプローチする心理臨床実践とその継続的な研究を通して、心理専門職としての専門性と研究力の向上を図っています。
いずれも、「理論と実践の往還・融合を図る」という点が大きな特徴といえます。学校教員の皆さまは、大学院での学びと日々の授業実践とを結びつけながら、臨床心理学コースの皆さまは、臨床心理相談室での相談業務を中核に研究を進めることとなります。
誰が言い出したかは定かではありませんが、「知識は世界の解像度」などと言ったりします。知れば知るほどに、物事をより細かく考えることができるようになり、今まで見落としていたことに気づいたり、何がわからないのかがわかるようになったりします。常に実践的なフィールドを持ちながらご研究を進める皆さまにとっては、学んだことを咀嚼し、目の前の児童生徒やクライアントの姿と重ね合わせて理解し、それを働かせて、どうすれば問題の解決に向かえるのかということをクリティカルに、そして創造的に考えていくことが大切です。
皆さまの心の中に、「研究の火」がともることで、皆さまが大学院を修了した後、確かな理論に裏付けされた実践と、エビデンスに基づく効果検証や改善などに取り組むことができるようになると期待しております。
一方で、特にフレックスクラスで働きながらご研究される方々につきましては、心と身体のご健康にくれぐれもご留意頂きますようお願い致します。お仕事の繁忙期と大学院の行事や授業、レポート提出の時期などが重複することが考えられます。どうしても2足のわらじにならざるを得ない中、計画的な研究活動が極めて重要です。指導教員の先生としっかりとご相談を頂き、2年間、あるいは3年間の学修、研究の見通しがもてるように綿密な計画を立てて頂ければと思います。また、ご事情のある場合は、ゼミの教員に加えて、各授業科目の担当教員や事務局の職員などにも、ご相談頂ければと思います。
また、今年度から、神戸キャンパスがこの新長田の真新しい建物に移転し、拡充しました。特に、臨床心理学コースの昼間クラスの皆さまにおかれましては、この新しいキャンパスを最大限、有効にご活用頂き、ご研究をがんばって頂ければと思います。
大学院での学びが皆さまの人生の次のステップアップにつながるものとなることを祈念致しまして、私からのお祝いの言葉にしたいと思います。
令和7年4月6日 国立大学法人兵庫教育大学学長 森山 潤